Rocky and Funny!! | ナノ


5 神楽 side



「とにもかくにもさァ、アンタらこれからどーするつもりなのさ。野郎二人で万事屋やってくつもりなのかィ?」
「俺のなまえを忘れてるぞ」
『いや私万事屋じゃないから。お前のでもないから』
「それに別に何人だろーとやれねー事はねーだろ。元は俺一人でやってたんだから」

「いやいや、そーじゃなくて。実はさァ、前に万事屋に入りたいって奴がウチに来て、私を経営者と間違ったか知らんが履歴書と写真置いてったんだよ」
『おォ、いいんじゃない?』

ババアはそう言うとカウンターの下から履歴書だと思われる物を取り出し、銀ちゃんへと手渡した。

「…履歴書っていうかお見合い写真じゃねーの」
「アラ、キレイな女性」

皆が写真を覗き込んでいる。
うう…見えないアル。

『(アレ…この人)』
「猿飛あやめ。経歴が凄いわ。お庭番州を辞した後、殺し屋に転職ですって」


「殺し屋?…ん」




その時、銀ちゃんの横に髪の毛が垂れているのが見えた。(いつの間に…!)

「うぉああ!!曲者!曲者だァ!何奴じゃ貴様!」

うるさいアル。
マダオがぎゃあぎゃあと騒ぐ中、その人はぶら下がっていた電気から飛び降りた。




「祇園精舎の鐘の声。諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色…。ヒロイン交代の理を現す。こんばんは。万事屋さっちゃんです」




くるり、とこちらへ振り返って見えた顔は。

さっちゃん!?

見覚えがあった。確か少し前に銀ちゃんの布団で寝ていた人だ。

「ムサい野郎だけで商売やっていける程世の中甘いものじゃないわ。アダムにイヴ。社長に秘書。林家ぺーにパー子が寄り添うように、何をするにもヒロインという存在は必要不可欠なのよ。…かといって、アルアル中華娘はもう古いし、猫耳年増女なんて問題外。ババアに至っては男だか女だかわからない始末。わかる?これからはコレよ。これからはメガネっ娘くの一…アレ?くの一メガネ…ん?メガくの一、あっこれでいこう。91メガの時代なのよ!あっ間違った」

もうグダグダネ。



さっちゃんは長々と喋り終えると銀ちゃんへと向き直り、急にもじもじし出した。

「そうゆう事だから、あの…銀さん。私を、あの、お嫁さんに…じゃねーや。万事屋に入れてく…「眼鏡は新八とかぶるからダメだ」」

銀ちゃんはさっちゃんの言葉にを遮るように、言葉を発した。

「チームは集団だからこそ個性が必要なんだよ。個性を出す一番いい方法はコレぶっちゃけ見た目なんだよね。それがかぶってるなんて言語道断でしょ。例えばそうだね、モヒカンにするとかデカイ武器を持ってるとか。シルエットだけで違いがわかるようにしてもう一回来てみて」

漫画の編集者みたいな事言いやがったヨ。






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