Rocky and Funny!! | ナノ


22



『神楽ちゃんっ…!』
「神楽ァァ!」

今にも大砲を撃たれそうだった私達がもうダメだ、と軍艦に背を向けた。その瞬間、えいりあんの核から神楽ちゃんが勢いよく飛び出してきた。一体何があってそんな勢いよく出てきたのかはわからないが、私と星海坊主さんは神楽ちゃんが無事だった事に驚いていた。神楽ちゃんの勢いに乗って同時に飛び出てきた銀ちゃんは苦しそうに咳き込んでいた。

「ったく、食い意地がはったガキだよ。親の顔が見てーな、オイ」
「……俺も見てみてーよ。お前のような無茶苦茶な男の親の顔を」
「男は下の毛が生えたらもうてめーでてめーを育てていくもんだ」
「クク。ちげーねェ」

二人は体制を整えると顔を見合わせ笑った。

「…さて。そろそろ」
「終いにしようか」

そして。







「いくぜェェ!!お父さん!」
「誰がお父さんだァァ!!」





二人は一気に核目掛け木刀と傘を振り上げた。






ドゴォンッ!!







核は大きな音を立て壊される。えいりあんの動きもだんだんと鈍くなる。だが、軍艦の大砲が静まる様子がない事に、私達は嫌な予感を抱いていた。どうやら大砲に集まったエネルギーは止める事が出来ないらしく、発射まで寸前なんだとか。(ヤバイんですけど)

【早く逃げろォォ!おっさん知らないからな!おっさんは一切責任はとりません!】

『ちょっとちょっと!随分無責任なお偉いさんなんだけど!?』
「逃げろったってどこに逃げろっての!?」
「メガネメガネメガネ!!」
『メガネは諦めろ!!』
「下は無理だ!上だ上!!」

銀ちゃんの言葉に私達が続こうとした瞬間。




「酢昆布返せェェ!!」
『神楽ちゃんんん!?』

意識が定まっていないのか、神楽ちゃんは何かよくわからないが、銀ちゃんから酢昆布を取り返そうと勢いよく飛び蹴りをかました。(一体銀ちゃんは核の中で何をしたんだ)

『神楽ちゃん落ち着いて!!』
「オイ、ダメだって!出血が!!」

私と星海坊主さんは出血も気にせず暴れる神楽ちゃんを必死に抑えようとするが手こずってしまっていた。

「あー酢昆布だ」
「?」
『神楽ちゃん?どれが酢…』



ブチンッ!



「「「『!!』」」」

突然、神楽ちゃんが大人しくなったと思えば、そう言って思いきり星海坊主さんの残り少ない頭の毛をむしり取った。
私達は、絶句した。

「ぎゃあああああ!!何すんのォォ!!お父さんの大事な昆布がァァ!!」
『!神楽ちゃん!そんなもの食べちゃダメ!』
「おいィ!何食ってんだ!出せェェ!ハゲるぞ!そんなもん食ったらハゲるぞ!」
「ハゲるかァァ!お前らホント後で殺すからな!」



ゴゴゴゴ…!



その時、目の前で鳴り響く大きな音に私達は目を向けた。目の前は真っ白で状況が理解出来ずにいた。

「なんだこの音?」
『えっまさか…マジで』
「あれ?…あれ?」





ドォン!!






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