Rocky and Funny!! | ナノ


15 神楽 side



「神楽ァァ!オイッしっかりしろォ!」
「……」



誰かの声が遠くから聞こえる。(私…えいりあんに)薄れる意識の中で、何があったのかと記憶を辿る。(ああ…そうだ)えいりあんに今にも襲われそうだった二人を助けて、私がやられたんだ。だんだんと意識がはっきりしてくると、誰かが私を抱き上げている感触に気付く。それがパピーだという事も。パピーは怪我をしている私を、助けた二人が黙って見ていたのかと怒っている。(違う…違うヨ)パピーの気迫に怯える二人にパピーは傘を振ろうとしたが私は力を振り絞りそれを止めた。

「パピー、ダメヨ。せっかく私助けたのに…」
「神楽!」

私が生きていた事に驚くパピーは怒りを忘れ私を再び抱き上げる。

「も…も…もう大丈夫だ。父ちゃんが助けてやるから。もう安心しろ!」
「わ…私変わったでしょ?私の力、人を傷つけるだけじゃないヨ。人を護る事も出来るようになったヨ」
「も…もういい!喋るな!」

パピーは息の荒い私を見て声を張り上げる。だが、私は言葉を続けた。(ちゃんと…知ってほしい)



「そういう風にしたらネ、いっぱい友達出来たヨ。…もう誰も私を怖がったりしないアル。もう、一人じゃないネ。戦って戦って夜兎、滅びたネ。戦って戦って夜兎、一人ぼっちになったネ。パピーも兄ちゃんも皆…戦わなきゃいけないのは自分自身アル。このままじゃ皆一人ぼっちになってしまうヨ」

「……」
「おいィィ!!危ないィィ!上!上!」
「!」

私の言葉に黙ってしまったパピーの頭上にえいりあんが現れた。えいりあんは口を大きく開き私達へと襲いかかった。




バグンッ!




「パ…パピー…」

パピーは私を庇い左腕をえいりあんに食いちぎられてしまった。その勢いでパピーと私は弾き飛ぶ。パピーは食いちぎられた左腕の痛みを必死に我慢していた。(…私のせいで…)そんな思いを抱えていると触手が私へと絡み付いた。






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