Rocky and Funny!! | ナノ






ガパンッ!



「ぶっ!!」

鈍い音が鳴り神楽ちゃんは飛ばされる。

と、その先には見知らぬ親子がいた。このままではぶつかってしまう、と神楽ちゃんは何とか避けようとするが飛ばされている身ではどうする事も出来ない。

「っ…!」





ガシッ!





「!…銀ちゃん、なまえ!」

何とか寸前のところで私と銀ちゃんは神楽ちゃんを受け止める。

『大丈夫?神楽ちゃん』
「…ったく、何やってんだてめーら」
「銀ちゃん、私…」

神楽ちゃんの言葉をよそに、銀ちゃんは星海坊主さんへと顔を向けた。

「親子喧嘩に首突っ込むなんざ野望だぞ」
「……」

銀ちゃんはすぐに破壊された家へと視線を向ける。

「また派手に暴れやがったな。とんだ親子だ。蛙の子はやっぱり蛙だな」
『…銀ちゃん、まさか』

銀ちゃんの言葉に私は次の言葉が予想出来た。





「……帰れよ」





「え」

私の予想を裏切らなかった銀ちゃんの言葉に神楽ちゃんは目を見開かせた。

「お前にゃ、地球は狭いんじゃねーの。いい機会だ。親父と一緒に行けよ。これでさよならとしよーや」
「え……なんで。なんでそんな事言うネ。…なまえも何か言ってヨ」
『……』

私は何も言えずにいた。私には何も言える権利がない。面倒を見てきたのは銀ちゃんだ。銀ちゃんがそう決めたのなら、反論する事は出来ない。すると銀ちゃんは私に行くぞ、と言うと歩みを進めた。私も名残惜しそうにその場を後にし、銀ちゃんを追いかけた。


「ちょっと待ってヨ!なんで!…なんで、なんで…」

神楽ちゃんの言葉が小さく、小さく聞こえた。








『…これで良かったのかな』
「良いんじゃねーの。お前だって家族大事にしてたじゃねーか。あいつも親父と一緒に居れなかった分、寂しい気持ち埋めれるだろ」
『…そうだね』

随分と歩き、神楽ちゃん達が見えなくなると私がそう銀ちゃんに問いかけた。銀ちゃんは私を見る事なく答えた。(…私だって家族と一緒に居れるのが一番良いと思う…だけど)なんだかそんな簡単なものではないのかもしれないと、そんな気がした。






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