Rocky and Funny!! | ナノ






「ほぁちゃあああ!!」



ガシャァァンッ!!



神楽ちゃんと星海坊主さんはガラスを突き破り外へと飛び出した。私達は急いで後を追いかける。

『ちょっとちょっと。夜兎同士の闘り合いなんて街が大変になるよ』
「っ早く止めないと…!」
「おめーらは先に帰ってろ」
「えっ?あっ…ちょっ銀さん!?」
『…もー、一人でカッコつけようとするんだから』
「あっなまえちゃん!」

暫く遠くから神楽ちゃん達を見ていたが移動していくのを見かねて銀ちゃんは私達に言葉を放つと更に追いかけていく。私はそんな銀ちゃんにため息をつくと急いで後を追いかけた。




ドォン!!




「うぉわァァ!!」
「なんだなんだ!」
「なんだあれ!?」
「人間か!?」

予想は的中した。二人がぶつかったと同時に、激しい音と煙が舞い上がる。騒ぎに街の皆が逃げていく。

「大体嫁入り前の娘が男と同棲なんて許されると思ってるのかァァ!そういうところからできちゃった結婚とかただれた展開が始まっていくんだよ!」
「私そんなふしだらな女じゃないネ!大体マミーできちゃった結婚だったって言ってたネ!」




『へェー、やるねェー星海坊主さん』
「オイ、帰れって言っただろ」
『一人でカッコつけさせないよ』
「…ったく」

後からやってきた私に銀ちゃんははあ、とため息をつくと再び神楽ちゃんと星海坊主さんへと目を向けた。




「もうほっといてヨ!今までずっとほったらかしだったくせに!私がどこでどう生きるかなんて私が自分で決めるネ!」

闘いは段々と激しさを増していく。そんな中、私は神楽ちゃんがもしかしたら寂しかったんではないかとそんな気がした。そんな神楽ちゃんに、少し冷静さを取り戻した星海坊主さんが再び言葉を放った。

「よほどこの止まり木が気に入ってるらしいな。だったら尚更去るがいい。忘れたか?我等の身体に流れる獣の血を。獲物を求めてさまよう夜兎の血を…。所詮俺達は戦場でしか生きられない獣だ。安寧に身を置いたところでどうだ、この様は?我を忘れ破壊し傷つけ、このままいればいずれお前は自分でこの止まり木を折る事になるだろう」
『……』

私はふと、俯き自分の腰にある木刀と一緒にいつも差している刀に手を添えた。(…我を忘れ、破壊し傷つける…か)そんな私を他所に星海坊主さんは言葉を続ける。

「ここが好きなら去れ。家に帰りたくねーなら俺と来い。ここはお前の居場所じゃねェ。俺達が飛んで良い空じゃねーんだよ」
「いやアル。私はそんな諦めたような生き方したくないネ。私はここで変わるネ。ここにいれば変われる気がするネ。銀ちゃんやなまえ達と一緒にいるネ」
『!(神楽ちゃん……)』
「銀ちゃん?あの野郎か?あんなチャランポランに何ができるってんだ」

星海坊主さんは一度、ため息をついた。

そして。



「仕方ねェ」



一瞬にして神楽ちゃんの後ろへと回り込む。

「だったら力ずくでも連れていくぜ」






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