Rocky and Funny!! | ナノ






あれから、桂さんは幾松さんのお店で雇われる事となった。それから少しして、私と桂さんは幾松さんの旦那、大吾さんの話を聞いた。どうやら、大吾さんは攘夷志士に殺されたんだとか。そのお陰で、幾松さんは攘夷志士を嫌っている。



客がいなくなり、私と桂さんは掃除をしながらこそこそと話をしていた。

『…桂さん、もし桂さんが攘夷志士だなんてバレたらやばいんじゃないですか?』
「…正直に話そうと思うが、なまえ殿はどう思う」
『…幾松さんからすれば怒りがこみ上げるかも知れませんね。…でも、攘夷志士と言っても一括りには出来ないという事を私は知っていますから』

協力しますよ。
私がそう言うと桂さんはふ、と笑い(黙っていればマジでドストライクなんだけどなァ)幾松さんに話しかけようと振り向いた。だが、振り返ればそこに幾松さんの姿は見当たらない。ふと、カウンターに目をやれば一枚の紙が置いてあった。
『出前に行ってくる…店番頼むわ…ですって』
「…信用しすぎじゃないのか…」
『でもこの様子ならきっと幾松さん、桂さんが攘夷志士だったとしても…』


「…いや、やはりここにはいられぬ」
『…え?』


「攘夷志士は、やはり攘夷志士だ。幾松殿をこれ以上傷つけるわけにはいかぬ。…何より俺の心が迷う」
『……』



男前な心も一応持ち合わせてはいたのか、と少し感動した。






×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -