2
すると、三人は荷物を開け何も言わずに立ち尽くしていた。何が入っていたんだ、と私も荷物を覗くとそこには変な髪型の男が二人。
「「どーも。この度はデリバ…」」
バンッ!!
銀ちゃんは男達が喋り終わる前に蓋を閉めた。
「あーコレ夢だな。支離滅裂だ。ありえねーもん」
「ちっちゃいオッさん入ってたヨ」
『しかもギッシリしきつめられてたよ』
「いやいや、今の人形でしょ?人形ですよ。…もっかい見てみましょーよ」
「夢だって!いい加減目を覚ませよ俺」
銀ちゃんは自分に言い聞かすようにそう言うとゆっくり蓋を開いた。
だが、そこには先程見た男が二人。しかも若干怒っている。
「「どーも。この度はデリバ…」」
ゴシャッ!!
今度は思いきり蹴飛ばすとふう、と息をついた。どうやら私達は疲れてるんだ、と言い聞かせ目が覚めたら集まろう、と万事屋を後にしようとした。
「「待たんかィィィ!!」」
夢ではなかった。どうにも、箱に詰め込まれていた男達は坂本さんが頼んだデリバリー大工らしい。
「俺達は依頼があれば星をもまたいで家を建てに行く。ウンケイ!そして」
「カイケイ!デリバリー大工なんだよ!」
「チェンジで」
「いやそんなんないから」
『いーんじゃない?建ててくれるんだったら』
「オイオイ、騙されんじゃねーよ。テメーらそんなナリで何が出来るってんだよ。どーせシルバニアファミリーの家しか作れねーシルバニア大工なんだろ」
「殴るぞお前」
『そうだよ失礼だよ銀ちゃん!シルバニアだって立派な家じゃない!』
「なまえちゃんフォローなってないから」
「聞いて驚くなよ。俺達はなァ、江戸を国際都市へと変えた文明開化の象徴、あの天高くそびえるターミナルの…中にある給湯室のおたまとか引っ掛けるアレ…アレ作ったんだぞ」
「戸を閉めてもおたまとかガシャンと落ちねーんだぞコルァ!!」
「甘ェーよ。俺ァ牛乳パックで本棚作ったぞコルァ」
「地球に優しいぞコルァ」
「それ位の優しさで地球が救えると思ってるのか?」
「地球っていうか金がねーんだよ」
「家計は厳しいんだヨ!」
『てゆーか銀ちゃん本棚なんか使わないじゃん』
「いやあったら使うかなって」
「アンタら何の話してんのォォ!?」