13 銀時 side
「フハハハ!」
おやっさんの笑い声に工場へと目をやった。おやっさんは誇らしげに大砲の自慢をし始めた。
「見たか!蝮Zの威力を!これがあれば江戸なんぞあっという間に焦土と化す!止められるものなら止めてみろォ!時代に迎合したお前ら軟弱な侍に止められるものならよォ!さァ、来いよ!早くしないと次撃っちまうよ!皆の江戸が焼け野原だ!フハハハ!どうした?体が強張って動く事も出来ねーか!情けねェ…」
本当に、情けない。僕には、どうする事も出来ずに、死んでしまうのか。まだ人生やり直し始めたばかりだと言うのに、まだ誰にもお詫びしていないのに。
江戸は、滅んでしまうのか…。
「どうぞ。撃ちたきゃ撃って下さい」
「江戸が焼けようが煮られようが知らないネ」
『でもこの人だけは撃ってもらっちゃ困るね』
「!」
な…!
「新八くん…神楽ちゃん…なまえさん…なんで…なんでこんな所に…」
諦めかけたその時。僕の目の前に新八くんと神楽ちゃんとなまえさんがおやっさんに向かって立ちはだかった。
どうして、此処に。
「僕の事はもういいって…。もう好きに生きて行こうって言ったじゃないか。なんで、こんな所まで…」
ゴッ!!
突然、頭と顔に激痛が襲った。何が起こったんだ。まだ話している途中だったのに、僕は三人に頭を踏みつけられた。
「オメーに言われなくてもなァ、こちとらとっくに好きに生きてんだヨ」
「好きでココに来てんだよ」
『私は家賃滞納分きっちり払ってもらう為にね。…でもまァ本当のところ』
「「『好きでアンタと一緒にいんだよ』」」