12 銀時 side
ジャスタウェイを爆発させてしまった為、僕と側にいたゴリさんとジミーは次々と爆発していくジャスタウェイから逃げていた。ジミーからは、おやっさんがテロリストかも知れないという話は聞いていた。
「なんてこった、まさかホントにおやっさんが…。確かに幕府のせいでリストラされたとか、あいつら皆殺しにしてやるとかいつも愚痴ってたけど……。まさかおやっさんが…」
「まさかじゃねーよ!超一流の食材が揃ってるじゃないスかァァ!豪華ディナーが出来上がるよ!」
その時、後ろから大勢の声が聞こえて振り返る、とそこにはおやっさんが手下を連れて追いかけてきていた。いくらテロリストだと言ってもおやっさんは命の恩人だ。やり合うなんて僕には出来ない。逃げよう。僕達は屋根へと上っていく。少し出遅れたジミーも屋根上っているとおやっさんが勢いよくジミー目掛けて飛んできた。
「逃がすかァァ!!」
「…ダメだ。僕はいくら何でも恩人のおやっさんとはやり合えない」
ガゴンッ!!
ポイッ
ドォンッ!!
「おいィィィ!やり合えないんじゃなかったのかァァ!?おもっクソ殺っちゃったじゃないか!」
「そんな事言ったか、ゴリさん」
「ダメだ、思い出せない。記憶喪失だから」
「便利な記憶喪失だなオイ!」
「ククク、動くんじゃねーぞ」
「!!」
すると、無事に脱出出来たのかおやっさんがジミーの首に刀をかけた。僕とゴリさんは迂闊に動けずに、大人しく捕まってしまった。
僕達はおやっさん達に縄で縛られ、人質として置かれてしまっていた。暫くしてやってきたジミーとゴリさんの仲間だという真選組に少し安堵すると何か大砲をこっちに向けてるのが見えた。え?いやいや…撃たないよね?撃たないよね?…撃っちゃったよオイぃぃ!
ドォンッ!!
「撃ったァァ!撃ちやがったよアイツらァァ!!」
「なんですかァァあの人達!ホントにあなた達の仲間なんですかァ!?」
「仲間じゃねーよあんなん!局長!俺もう辞めますから!…てアレ?局長は?」
ジミーに言われて、辺りを見渡すとゴリさんは壁板の破片に引っ掛かっていた。すると何だか雰囲気がゴリさんじゃなくなっていた。記憶を取り戻したようだ。良かった。ゴリさんだけでも記憶が戻って。ゴリさんは逃げよう、と立ち上がったが生憎、僕の縄はしっかりと壁にくっつけられたままだった。ジミーが僕を気にかけてくれたが、こんな所でも迷惑をかけたくはない。
「いい。行ってくれ。ジミー、ゴリさん」
だが、僕の言葉とは裏腹にゴリさんは縄をほどこうと駆け寄ってきた。どうしてなんだ。どうして、こんなにもこの銀時は…。
その時、何とか壁からは剥がれると、その反動で僕達は建物から地面へと落ちていった。その後すぐに真選組が大砲を撃ち込んでいく。おやっさんも負けじと大砲をぶっ放した。大砲は此方へと向いており、光線のようなものが僕達に襲い掛かる。
「クソ!!っるああああ!!」
その時、ゴリさんに押された僕とジミーは地面へと倒れ込んだ。ゴリさんは光線に巻き込まれ気を失っており、ジミーが呼び掛けても返事がなかった。
どうして、どうしてなんだ。