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すると、街中で聞き覚えのある声が聞こえてきた。声のする方へと目を向かせると、そこには男前が。
『桂さん!』
「!なまえ殿。銀時も一緒か」
「…誰ですかこの人は?」
「?オイ、俺を忘れたのか銀時」
「あ、あの…実は…」
「なに?記憶喪失?」
私達は桂さんに状況を話す事にした。すると、桂さんは顔をしかめて銀ちゃんの顔をじっと見つめた。
「それは本当か?何があったか詳しく教えろ、銀時」
「だから記憶がないって言ってんでしょーが。てか、桂さんは何やってるんですか」
新八くんは私も気になっていた事を口にした。何でも国を救うにも金がいるんだとか。(要するにアルバイトね…)
「そうだ銀時。お前もよっていけ。キレイなネーちゃん一杯だぞ。嫌な事忘れられるぞ」
「これ以上何を忘れさせるつもりなんですかァァ!アンタらホントに友達!?」
「なまえ殿もどうだ、ウチで働かないか?なまえ殿ならすぐに客がわんさかだろう」
「ちょっとちょっと!なまえちゃんまで誘い込まないで下さいよ!!」
『そうです!私は桂さんみたいな男前しかお相手したくないです!』
「そーいう問題ィィ!?もうホラッ!行きましょ!…銀さん?」
「…この店に入れば何か思い出せそうな気がする…。行ってみよう」
「『ウソつけェェ!!』」
ドカァッ!!
桂さんに相談したのが間違いだった。新八くんはため息をつくと銀ちゃんの腕を引いた。だが、今までの本能なのか、銀ちゃんが店へと足を進めようとした瞬間。私と新八くんは思い切り飛び蹴りを食らわした。
「…あっ今ので何かここまで来てる!」
「本当か!思い出せ銀時!お前は俺の舎弟として日々こき使われていたんだ!」
「オイぃぃ!記憶を勝手に改竄するなァ!」
どうやら私と新八くんが飛び蹴りをした事によって、何か思い出せそうになっていた。それを見た神楽ちゃんと桂さんと何故かエリザベスまでもが、銀ちゃんを殴り出した。(いやそれ完全にリンチだよ)
『…ん?』
ふと、周りを見合せば人だかりが出来ていたる。(そりゃこんな騒いでたら集まるわな…アレ?そういえば)そして、桂さんが指名手配されている事を思い出す。(…こんなに目立ってたらまさか…)
「か〜〜〜つらァァァ!!」
そう思った瞬間、目の前にパトカーが突っ込んできたのが目に入った。(オイオイぃぃ!)いきなりの事に避けようとすると桂さんが私の腕を掴み、パトカーの上へと飛び乗った。そしてすぐに地面へと着地する。その瞬間、パトカーが爆発した。
「大丈夫か、なまえ殿」
『はい…!(やっぱり男前…!)』
「フン、芋侍が。家でチャンバラごっこでもしているがいい。…!」
「今日は付き合ってもらうぜ、桂ァ!」
『!沖田さん、土方さん!』
「!なまえさんじゃないですかィ。巻き込んじまってスイマセン!それじゃ!」
『あ、はあ…』
一瞬で嵐が去っていた。(…ってボーッとしてる場合じゃなかった!)私は急いで周りを見渡す。そしてパトカーの横で騒ぎに巻き込まれた銀ちゃんが倒れているのを見つけると駆け寄った。
『銀ちゃん大丈夫!?』
「しっかりしてヨ!」
「銀さん!!」
「君達は…誰だ?」
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