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「イテテ。あー酷い目にあった」
「何で俺達まで入院伸ばさなきゃいけねーんだよ」
「やっぱり人の色恋に首突っ込むとロクな事ないネ」
『ま〜たまにはいいんじゃないの?』
「そうですね。桂さんも見事入院だって。なんか看護婦さんにボコボコにされてましたもんね」
あれから看護婦さんも加わり(というか巻き込まれた)桂さんの入院作戦は見事成功した。皆の入院も伸びたのは言うまでもないが。(てゆーか、看護師さんってあんな強いモンなの?)(ちなみに私は上手い事逃げました)
「あとは内野さん次第ですよ。僕らに出来る事はもう何もないです」
「それなんだがな…内野さん告白したらしーよ。患者達が大騒ぎしてらァ。僕らのウッチーに彼氏が出来ちゃったって」
「「「『……』」」」
私達は長谷川さんの発言に顔を見合わせた。
「「「『い゛い゛い゛!マジでェェ!?』」」」
そして、見事にハモった。
「一度諦めたところに舞い込んだチャンスにいてもたってもいられなくなったんだ」
「マジかよ、あのヅラがね〜」
『あ〜何かやっぱ勿体無い事したかも…』
「あーホレ、見ろ」
『!』
長谷川さんが下を指差す。指を辿って見たものは楽しそうに笑う内野さんと、その繋がれた手。やはり男前に彼女が出来るのは悲しいものだ。(まあ桂さんが幸せならよかったかな…ん?)
その時、木の陰から現れたのは桂さんではなかった。
(え…エリザベス…?)
銀ちゃん達も見下ろしたまま固まっていた。
「……なんですか、アレ」
「真っ直ぐな目をした違う世界を生きる彼氏アルヨ」
「『…あーなるほど。そーゆーこと…』」
「ハイ、せーの」
ドサッ