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「オイオイオイオイ、どーしたんだコレ?」
私達が泣く泣くカニを捨てに行こうとしていると、二階から銀ちゃん達が下りてきた。銀ちゃん達はカニを見ると即座にこちらへとやってきた。
「竜宮城にでも行ってきたのか、バーさん。顔もシワだらけじゃねーか」
「殺すぞ若白髪」
『銀ちゃん!シワは元からだよ!』
「フォローになってねェんだよ!」
「で…で?このカニどうしたんですか?」
怒鳴り散らすお登勢さんを宥めるように新八くんが本題へと移す。
「知り合いに貰ったんだよ」
『でも冷凍庫が壊れて全部ダメになったから捨てに行くってわけ。もー最悪だよ』
「ちょっと、アンタらも捨てるの手伝っておくれよ」
お登勢さんの言葉に銀ちゃんは小さくため息をついてカニの前に座り込んだ。
「出来る事なら食べるの手伝いたかったぜ」
「ちょいと。間違っても食べようなんて考えるんじゃないよ。カニは当たると酷いんだからね」
まじまじとカニを見つめる銀ちゃんに私は嫌な予感がした。お登勢さんの言葉に銀ちゃん達はわかってる、とカニを持ち上げごみ置き場へと持っていった。
「…アイツら大丈夫かねェ」
『…大丈夫なわけないでしょ』
「……」
暫くすると、お腹を抑え苦しそうな三人の姿を目にしたのは言うまでもない。