Rocky and Funny!! | ナノ






翌日。
外は大雨だった。大雨というだけでも気が滅入るというのに、それ以上に気の滅入る話が耳に入ってきた。昨日、江戸を出ると言った道信さんを、最後まで見届けようと遠くから見守っていた新八くん達が煉獄関の連中を足止めしている間に殺されてしまったという。私はその事を聞いた瞬間、心に穴が空いた気持ちになった。

「ゴメン、銀ちゃん」
「僕らが最後まで見届けていれば…」
「オメーらのせいじゃねーよ。野郎も人斬りだ。自分でもロクな死に方出来ねーのくらい覚悟してたさ」
『…子供達は無事なんですか?』

私はその事を話に来ていた沖田さんに、酷く気になっていた疑問を向ける。

「全員無事でさァ。だが、親が死んじまった以上、ウチらの手で引き取り先探しまさァ」
『…そうですか』

良かった。道信さんが死んでしまった以上、喜べはしないが子供達が無事だと聞き、少し安堵した。

「情けねェ話ですが俺達にはそれぐらいしか出来ねーんでね。旦那ァ、妙なモンに巻き込んじまってすいませんでした。この話はこれっきりにしやしょーや」
『そんな…』
「これ以上関わったらなまえさん達にも危害が加わるかもしれやせん。それだけは避けてーんでねィ」
『……』

自分の命などはいくらでもくれてやるが、新八くん達は危ない目に遭わせたくない。これ以上死人が増えるのは御免だ。そうなるとどうする事も出来なかった。こんな酷い仕打ちに悔しさを覚えていると万事屋の扉が開く音が聞こえてきた。




「!テメーら、ココには来るなって言ったろィ?」

現れたのは道信さんの子供達だった。

「…に、兄ちゃん」

子供達の表情はとても暗く、声は震えている。私にはこれから放たれる言葉の大方の見当がついた。

「兄ちゃんに頼めば何でもしてくれるんだよね?何でもしてくれる万事屋なんだよね?」
『……』



「お願い!先生の仇討ってよォ!!」



『……』

そう言って泣き出した子供達に私は沸々と怒りが沸き上がっていた。今すぐにでも闘技場に乗り込んでやりたい所だったが、銀ちゃんがどう出るのか、私はじっと待った。すると、一人の子供が銀ちゃんにスッと一枚のシールを差し出した。

「!」
「コレ…僕の宝物なんだ」
『!』
「お金はないけど…」
「…皆の宝物あげるから」
「だからお願い。お兄ちゃん…」




『…銀ちゃん』

私は銀ちゃんの言葉を待った。だが、その前に沖田さんが言葉を発した。

「いい加減にしろ。お前ら、もう帰りな」
『っ沖田さん…』

「…僕、知ってるよ」
『?』
「先生…僕達の知らないところで悪い事やってたんだろ?だから死んじゃったんだよね」
『!……』


「でもね、僕達にとっては大好きな父ちゃん…立派な父ちゃんだったんだよ…」


悪い事をしていたと知っていてもなお、道信さんが大好きだった子供達。更なる怒りが沸き上がる。いつまで経っても動かない銀ちゃんに私はそろそろ限界だった。




「オイ、ガキ」
「!」
『……』

するとやっと、銀ちゃんが言葉を放った。






×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -