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『…はあ』
大抵の予想はついていたがまさか、そんなお偉い方の絡んだ闘技場とは。新八くんと神楽ちゃんが今、道信さんの所で張り込んいるらしいが、大丈夫なんだろうか。不安な事ばかりを考えると私は大きな溜め息をついた。
「どうしたんだい。大きな溜め息なんかついて」
『…お登勢さん』
あれから私と銀ちゃんは、ファミレスを後にするとそれぞれ家へと帰り、私はスナックを手伝っていた。そして店を閉め、後片付け中についた溜め息にお登勢さんが問いかけた。
『ちょっとねー…』
「また厄介事に巻き込まれたかィ」
お登勢さんにはお見通しのようだった。そんなお登勢さんに私は小さく笑うと、ふと口を開いた。
『…お登勢さんはさ』
「なんだィ」
『いけない事はいけないって言う?』
「……?」
私のよくわからない質問にお登勢さんは黙り込んでいた。だが、すぐに口を開いた。
「そーだねェ。いいんじゃないかィ?」
『え?』
「間違いを正すんだろ?いいじゃないかィ」
『…お登勢さん』
そんな一言に私の考えていた不安は全て吹っ飛んだ。
『そっか、そうだよね…ありがとう!』
「変な子だねェ」
私はにっこりと笑った。きっと、片岡さんも同じ答えを出していただろう。明日、銀ちゃんのところに行こう、と決めると私は洗い物を片付けた。