Rocky and Funny!! | ナノ






「まあまあ。遠慮せずに食べなさいよ」



「『……』」

私と銀ちゃんは無言のまま顔を見合わせ、机に用意されたものに目を向けた。


時は数時間前に遡る。私がスナックを開ける準備をしていると突然店の扉が開き、銀ちゃんに連れ出されたかと思いきや、ファミレスへとやってきた。珍しくご馳走してくれるのかなどと思っていると奥の席に見覚えのある顔があった。

『…アレ?土方さんと沖田さん?』

そこには土方さんと沖田さんがおり、沖田さんが申し訳ないと言った顔で土方さんの隣に座っていた。(って事はまさか煉獄関の件バレたのかな)(…いやいやそれよりも)そして冒頭に戻る。



「…何コレ?」
「すまねェ。全部バレちゃいやした」
『それよりもコレなんですか?』

煉獄関の件が土方さんにバレた事よりも私と銀ちゃんにはもっと気になる事があった。それは机に置かれた、謎の料理。

「オイオイ、マヨネーズに恨みでもあんの?」
「カツ丼土方スペシャルだ」
「『……』」



いくらマヨネーズが好きでもこうなると酷い。

「こんなスペシャル誰も必要としてねーんだよ。オイ姉ちゃん、チョコレートパフェ一つ!」
「お前は一生糖分とってろ。どうだ総悟、ウメーだろ?」

甘いものしか受け付けない銀ちゃんは当然カツ丼土方スペシャルを食べる事もなくチョコレートパフェを頼んでいた。私も最初は気が引けていたが沖田さんが普通に食べているのを見て案外イケるんじゃないか、と少し食べたくなった。

「スゲーや。カツ丼を犬のエサに昇華出来るとは」
『スイマセーン、フルーツパフェ一つ!』

だが、沖田さんの言葉にそんな考えは一変し、私はすぐに店員にフルーツパフェを頼んだ。

「…何だコレ?おごってやったのにこの敗北感…。まあいい、本筋の話をしよう。…テメーら、総悟に色々吹き込まれたそうだが、アレ全部忘れてくれ」
「『……』」

土方さんが本題だと持ち出した話に私と銀ちゃんは再び顔を見合わせた。

「んだ、オイ。都合のいい話だな」
『その感じじゃ土方さんもあの闘技場で何が行われてるか知ってるんじゃないですか?』
「大層な役人さんだよ。目の前で犯罪が起きてるってのに知らんぷりたァ」
「いずれ潰すさ。だが、まだ早ェ。腐った実は時が経てば自ら地に落ちるもんだ。…てゆーかオメー、土方スペシャルに鼻くそ入れたろ。謝れコノヤロー」

そう言いながらも土方スペシャルを食べ出した土方さんに私は心底驚いた。(当たり前だが私なら絶対食べない)



「大体テメーら小物が歯向かったところでどうこうなる連中じゃねェ。下手すりゃウチも潰されかねねーんだよ」
「土方さん、アンタひょっとしてもう全部掴んで…」
「…近藤さんに言うなよ。あの人に知れたら無茶しかねねェ。天導衆って奴ら知ってるか?将軍を傀儡にし、この国をテメー勝手に作り変えてる。この国の実権を事実上握ってる連中だ…」
『…じゃあまさか』
「ああ、そうだ。あの趣味の悪い闘技場は…その天導衆の遊び場なんだよ」






×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -