Rocky and Funny!! | ナノ






「ハハハハ」
「?」

私達は黙って道信さんの話を聞いていた。だが、突然銀ちゃんが笑いだし、寄ってきた赤子を抱き上げた。

「鬼がそんな事言うかよ。アンタもう立派な親だ」
『銀ちゃん…』
「汚い金で子を育てて立派な親と言えますか…」
「でも今は悔やんでいるんだろう?」
「…最初に子供を拾った事だって慈悲だとかそういう美しい心からではなかった。心にもたげた自分の罪悪感を少しでも拭いたかっただけなんだ」
「…そんなもんだけでやっていけるほど子を育てるってのはヤワじゃねーよ」

銀ちゃんは赤子をあやしながら言葉を続けた。

「なァ?クソガキ…」
『……』

銀ちゃんの言葉は酷く私の心に沁みた。確かに、孤児を拾う者皆が皆、最初から慈悲など美しい心からではないだろう。けれど、今でもなお子供達を養っている道信さんには既にそういう心を持っているんではないか。私は何だか嬉しくなった。道信さんも銀ちゃんの言葉が響いたのか、何も言葉を返せないでいた。




「先生コレ!どう?似合う?ねェ聞いてる?」

すると、いつの間にか子供達と遊んでいた新八くんの眼鏡を奪ってかけた子供がこちらへと向かってきた。道信さんが俯き、何も言わずにいると子供は心配そうに近づいた。

「…先生?先生どうしたの!?オイ、お前ら!先生に何言った!いじめたら許さねーぞ!」
「そいつァすまなかった」
『ごめんね』
「こいつァお詫びだ。何かあったらウチに来い…。サービスするぜ」
『あ、じゃその下の階のスナックお登勢にも来てね』

銀ちゃんは立ち上がると赤子を子供に渡し、額に名刺を貼り付けた。そしてゆっくりと歩き出す。私も銀ちゃんを追いかけるように立ち上がり歩き出した。






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