Rocky and Funny!! | ナノ






「申し訳ない。これはすまぬ事を致した」



男はここで子供達の面倒を見ているという和尚だった。後から追いついた新八くんと神楽ちゃんもやってくると私達は事情を話し、廃寺へと迎え入れられた。

「怪しげなケツだったのでつい、グッサリと…」
「バカヤロー、人間にある穴は全て急所…アレッ?ヤベッ!ケツ真っ二つに割れてんじゃん!」
『銀ちゃん、元からだから』
「だが、そちらにも落ち度はあるだろう。あんな所で人の家を覗き込んでいては…」
「スイマセン、ちょっと探し人が…」
「探し人?」
「ええ。この辺りで恐ろしい鬼の面をかぶった男を見ませんでしたか?」
「鬼?これはまた面妖な。では、あなた方はさしずめ鬼を退治しに来た桃太郎というわけですかな」
「三下の鬼なんざ興味ねーよ。狙いは大将首。立派な宝でも持ってるなら別だがな」




「宝ですか…強いて言うならあの子達でしょうか」




「うぉわァァァ!!」

すると突然和尚さんが、私達がずっとつけてきていた目的である鬼道丸の面をつけだした。

「てってててめーどーゆうつもりだ!?」
「アナタ方こそどーゆーつもりですか?闘技場から私をつけてきたでしょう」
『なんだ、バレてたんですね』
「え!?え!?じゃ、和尚さんが!?てゆーか何でなまえちゃんそんなに冷静なの!」
『いや、だって何となくわかってたし』

「そう、私が煉獄関の闘士鬼道丸こと…道信と申します」

銀ちゃん達は和尚さん、もとい道信さんの言葉に間抜けそうな顔を浮かべていた。




それから暫くして、私達は縁側へと場所を移し、外で遊ぶ神楽ちゃんと子供達を見ていた。すると、道信さんからご丁寧にお茶が運ばれた。

「オイ、いいのかよ。どこの馬の骨ともしれん奴に茶なんか出して…鬼退治に来た桃太郎かもしれねーぜ」
『目は死んでますけどね』
「貴方達もいいのですか?血生臭い鬼と茶を飲んで」
『こんなに沢山の子供達に囲まれてる人が鬼だなんて思えませんよ。一体この子達は?』
「皆、私の子供達ですよ」
「あらま〜若い頃随分と遊んだのね〜」
『銀ちゃん言い方に気をつけなさい』
「いいえ、そういう事では…。捨て子だったのです」
『……』
「…なまえ、お前もあっちで」

突然の話に銀ちゃんが気を遣い、私に向こうへと誘ったが私はゆっくりと首を横に振った。

『…ううん大丈夫。道信さん、まさか子供達を養う為にあんな事を…』
「……」

道信さんは私の問い掛けに膝に乗せていた赤子を抱き上げ口を開いた。

「私がそんな立派な人間に見えますか?この血にまみれた私が…」
「…アンタ一体」




「今も昔も変わらず、私は人斬りの鬼です」






×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -