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私達は廊下を全力で突っ走る。
「みっ見ちゃった!ホントにいた!ホントにいた!」
「銀ちゃああん!」
『あの二人の事は忘れなさい!』
「ああ、もうダメだ」
ドォン!!
「!」
すると先程居た部屋の障子が豪快な音を立て吹っ飛んだ。なんだ、と振り向くとそこには既に諦めていた銀ちゃんと土方さんの走ってくる姿があった。
「きっ…切り抜けてきた!」
「いや待て」
無事だったのか、と安心するや否や、二人の後ろに何かが見えた。(オイオイ…まさか!)
『しょってる!?』
「女しょってるよオイ!」
「うわばばば!」
「こっち来るなァァ!!」
私達は再び廊下を全力で突っ走った。
『…はぁはぁ…疲れた』
全力疾走で幽霊を背負った銀ちゃんと土方さんから逃げ回った私達は、屯所内の倉庫に隠れ外の様子を暫く伺っていた。すると、再びあの二人の悲鳴が聞こえてきた。
「やられた。今度こそやられた」
「しめたぜ。これで副長の座は俺のもんだィ」
『あっじゃあ私万事屋乗っ取ろうかな』
「言ってる場合か!」
「オイ、誰か明かり持ってねーかィ?あっ!蚊取り線香あった」
『何でそんなもん持ってるんですか?』
「なんだよアレ〜なんであんなんいんだよ〜」
「新八、なまえ。銀ちゃん死んじゃったアルか?ねェ、死んじゃったアルか」
『大丈夫。今度から万事屋は私に任せて』
「なまえちゃんアンタ…」