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『はあー何でこうも弱いんだろ』
案の定、私は三人に言いくるめられお化け退治の手伝いをする事になった。
「それにしても、こんな変装でバレませんかね?」
「大丈夫だろ」
『バレても知らないからね』
私達は真選組屯所へとやってきた。来たからにはバレないようにしなければ。(しゃべり方変えたら気付かれないかも)(上品にいこう上品に…)花見で見かけた山崎さんには気付かれず、中へと入っていくと今度は近藤さんがいた。
「局長、連れてきました」
「オウ、山崎。ご苦労!」
「拝み屋です」
「どうも」
『どうもーオホホ』
局長と言われた近藤さんもどうやら気付いてない。(ここまではいいんだけど…あの二人はどうだろ)私が嫌な事を考えていると早速、あの二人、土方さんと沖田さんが部屋から顔を覗かせた。
「何だコイツらは…サーカスでもやるのか?」
「いや、霊をはらってもらおうと思ってな」
「オイオイ、冗談だろ。こんな胡散臭い連中…」
早速怪しまれている。どうするんだ、と思っていると銀ちゃんが少し前へと出た。
「あらっお兄さん、背中に…」
「…なんだよ…。背中になんなんだよ」
銀ちゃんは途中で言葉を止めると神楽ちゃんとひそひそと話始めた。
「ププッ、ありゃもうダメだな」
「なにコイツら!斬ってイイ?斬ってイイ?」
(何やってんだか…)完全に個人的な恨みだな、と私は呆れて小さくため息をついた。
「先生、なんとかなりませんかね」
近藤さんは本気でびびっているようで霊感も何もない神楽ちゃんを先生と呼んでいた。(この人はホントにバカだ)
「このままじゃ恐くて一人で厠にも行けんのですよ」
「任せるネ、ゴリラ」
「アレ?今ゴリラって言った?」
『言ってません。気のせいですゴリラさんオホホ』
「ゴリラって言ったよね」
とりあえず私達は屯所の中を見せてもらう事にした。と、言っても別に何か感じれる訳もなくただ一通りぐるっと回ると1つの部屋へと落ち着いた。
「ざっと屋敷を見させてもらいましたがね」
「こりゃ相当協力な霊の波動を感じますなゴリラ」
「あ、今確実にゴリラって言ったよね」
「まァとりあえず徐霊してみますかね。こりゃ料金も相当高くなるゴリよ」
『えっと、計算してみるゴリ』
「オイオイ、なんか口癖みたいになってるぞ。アナタさっきまでオホホって言ってましたよね?」
「して、霊はいかようなものゴリか?」
「うつった!!」
「「「『……』」」」
どんなものかなんて全く考えていなかった私達は一瞬、顔を見合わせた。だが、怪しまれると不味いと思い、神楽ちゃんが口を開いた。
「えーと……工場長」
パン!!
思い付きにも程がある。私と銀ちゃんは思わず神楽ちゃんの頭を叩いた。フォローせねば、と今度は銀ちゃんが口を開いた。