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『お化け退治ィ?』
夏の暑い日、銀ちゃん達に差し入れしてやろうとアイスを持って万事屋へとやってきた。すると銀ちゃんがそう言ったのだ。
「あァ。街で拝み屋探してるんだよ」
『…って、銀ちゃん出来るの?』
「バカおめー。出来る訳ねーだろ。フリだよフリ」
『フリって…バレたらどうすんの?』
「相手はバカだ。バレる訳ねーって」
『ちょっとちょっと、大丈夫なの?この前のえいりあん退治もおじさんの冗談だったじゃん(えいりあんが出てきたのはホントだけど)』
「僕も辞めようって言ってるんだけど」
「今回金の方は大丈夫だ」
『どうして言い切れんのよ?』
私の言葉に銀ちゃんはニイッと不気味な笑顔で返し、ゆっくりと口を開いた。
「探してんのは真選組だ」
『!』
なるほど。確かに近藤さんはまーバカだし、お金の方もちゃんとしてそうだ。新八くんと神楽ちゃんも納得したのか拝み屋になりきる為に着替え始めた。
『じゃー頑張って』
「オイ、なまえも来いよ」
『もうえいりあんで懲りた。それに最近スナック休んでばっかりだし』
「これで一儲け出来りゃ俺だって家賃くれー払えるしクソババアに迷惑かけなくなるんだからよ」
『もっと安定した仕事したら』
「なまえも稼いでパーっとやるネ」
『…まあ美味しい物は食べたいけど』
「この二人だけじゃ心配だからお願いします」
『……』
銀ちゃんはともかく、新八くんと神楽ちゃんにまで迫られてしまうと、私はどうにも出来ないでいた。