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「「ぎゃああああ!」」
えいりあんは二人のいた場所へと海に飛び込んだ。驚いた二人は急いで浜へと向かって泳いでくる。新八くんの意外に速い泳ぎに追い付かない銀ちゃんは新八くんのゴーグルを掴んで邪魔をする。(今そんな事してる場合じゃねーよ)
「てめーらァァ!!」
するとえいりあんから声が聞こえてきた。えいりあんを見てみると先程からくわえられていたおじさんがえいりあんと共に二人に向かってきていた。
「さっきはよくもやってくれたな!海の男の恐ろしさを思いしらせてやる!」
「うおおお来たァァ!なんか合体してるぞ!!」
どうしたものか、と考えていると横から神楽ちゃんの唸り声が聞こえてきた。振り向くと先程の大きな岩を持ち上げ、海へと狙いを定めていた。
『!神楽ちゃん!えいりあんに投げちゃって!』
「わかったネ!」
「お嬢ちゃんちょっと待って!おじちゃん乗ってるから!これを投げつけるのは俺も賛成だがおじちゃん乗って…『いけェェ!』なまえちゃん今声被せたのわざとだよね!?」
「ほわたァァ!」
「ぎゃああああ!」
バシャアァァン!!
岩(と長谷川さん)は見事えいりあんのいる場所へと飛んでいった。
「間違えた」
『神楽ちゃんは悪くないよ。悪いのは岩に乗ってた長谷川さんだよ』
「!えいりあんが上がってきたネ!」
『!こうなったら斬るしか…』
「!なまえアレ!」
『…あれ、こういう展開?』
海は大きな水しぶきを上げた。暫くして、出てきた長谷川さんの前にはえいりあんがいた。長谷川さんは食べられる、と覚悟をしていたが、私と神楽ちゃんは顔を見合わせて笑った。
えいりあんの背中には銀ちゃんと新八くんとおじさんが乗っていた。どうやら、助けたらしい。
『えいりあんにもいい子がいるんだねー』
「銀ちゃん達助かってよかったアル」
何だかホッとした、と胸を撫で下ろしたが大事な事に気が付いた。
『アレ…電車賃どうすんだろ』