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「『ぉらァァァ!!』」
掛け声と共に三郎に降り懸かった。
「『!?』」
だが、三郎は構えた腕を下ろした。私たちはそれに気付き、攻撃をやめようにも既に木刀は三郎目掛けて振り下ろされていた。三郎の破片が大きな音を立てて飛び散る。
「三郎ォ!バカヤロー!なんで撃たなかっ…」
「……オ…親父…」
「!!」
崩れ落ちた三郎に平賀さんが駆け寄ると三郎が突然、前とは違った声を出した。それが"誰"なのか、私たちは勿論、平賀さんも理解していた。
「油マミレ…ナッテ、楽シソーニ……カラクリ…テル、アンタ…好キダッタ…」
平賀さんの顔はだんだんと俯いていく。私は涙をこらえながら銀ちゃんに体を預けるように傾けた。三郎が次第に動きを止めると暴れていたロボットたちの動きも止まった。
「……なんだってんだよ、どいつもこいつも。どうしろってんだ!?一体俺にどーやって生きてけっていうんだよ!」
「さーな」
平賀さんの言葉に銀ちゃんが空を見上げた。私も空を見上げると先程の騒ぎが嘘のような静かな空が広がっていた。
『息子さんの分も長生きすれば?ね、銀ちゃん?』
「…あァ」