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「あ、おじちゃんだ」
神楽ちゃんたちと屋台を回っていると射的屋の前で神楽ちゃんが声を上げた。
「げっ!激辛チャイナ娘!」
『?神楽ちゃん知り合い?』
「長谷川さんって言って、元役人だったんですよ。久しぶりですね。就職先見つかったんだ。おめでとうございます」
『…(大方、銀ちゃん達に巻き込まれてクビになったのかな)初めまして。なまえです。おめでとうございます』
「アッハッハッなんか初対面で祝われてもなァ〜」
「射的ですか」
『あ、私やりたーい』
「ああ、やってって!サービスするよ!」
「当てればなんでもくれるアルか?」
「ああ、あげるぞ〜。よ〜くねらっ…」
パンッ
神楽ちゃんに長谷川さんが笑っていると長谷川さんのサングラスがパン、と音を立てて割れた。
「よこせよグラサン」
『あ、そーゆう感じ?えーとじゃ私は』
「ちょっ違っ…狙うのはあっち…」
長谷川さんが冷や汗を掻きながら私たちに説明していると今度は長谷川さんのつけていた腕時計が音を立てて割れた。
「「『!!』」」
「腕時計ゲーッツ」
『沖田さん!』
誰だ、と思い隣を見れば沖田さんがいた。沖田さんは私を見ると頭を下げた。
「お久しぶりでさァなまえさん」
『お久しぶりです』
「遊びに来たんですかィ?奇遇ですねィ」
『じゃあ沖田さんも?』
「仕事で来てるんですけどなまえさんの姿が見えたんで抜け出してきたんでさァ」
「全然奇遇じゃないじゃん」
『やっぱりここの射的ってそーゆう感じなんですか?それなら私腕時計欲しかったな〜』
「欲しいならあげまさァ。他にも欲しいなら俺が取ってあげまさァ」
『えっ本当ですか?』
「なまえ、私のが上手いアルヨ。見てるヨロシ」
「ちょーちょー待てっ!待てってオイ!なんでもあげるっつったっておじさんのはナシだよ!ちょっと!きいてる!?」
長谷川さんの言葉に聞く耳持たずの二人は長谷川さんに向かって射的用の銃を構え次々と銃を放つ。
『二人とも…それ以上やったら長谷川さんが可哀相だよ!でもあと乳首だけ欲しいな〜』
「アンタが一番酷いよ」