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するとロボットは銀ちゃんの頭を鷲掴みにするとゆっくりと持ち上げた。
「いだだだ頭とれる!頭とれるって平賀サン!」
「止めろォォ!平賀サン!」
『だから違うでしょって』
「たわけ。平賀は俺だ」
そう言いながら源外庵の奥から繋姿の男が現れた。お登勢さんと平賀さんが言い合う中、銀ちゃんはロボットに掴まれ持ち上げられたままの状態だ。
「ちょ、オイ!誰か助けて」
『銀ちゃん楽しそう』
「んなわけあるかァァ!…ん?」
銀ちゃんが叫んだ瞬間、更に上まで銀ちゃんは持ち上げられた。かと思えばロボットが平賀さんの方へと体を向け、この後の展開が何となく予想できた。
ゴッ!
予想通り、銀ちゃんは平賀さんに向かって思い切り投げ飛ばされ二人ともそのまま気絶してしまった。
「うわ〜カラクリの山だ」
銀ちゃんと平賀さんが気絶した後、私たちは源外庵の中へと入り、気絶していた銀ちゃんと叩…起こすと、平賀さんを柱に縄で括り付けた。
「これ、全部平賀さんが作ったんですか?」
新八くんは手に荷物を抱えながら源外庵の隅々に置かれたロボットやカラクリなどを見渡していた。
「てめーら何勝手に引っ越しの準備進めてんだァァ!!ちきしょォォ!!縄ほどけェェ!!脱糞するぞコノヤロォォ!!」
だが、平賀さんは新八くんの問いに答えず、縄を解こうと必死にもがいている。
「オイ、茶ー頼むわ」
「御意」
「三郎ォォ!てめェ、何こき使われてんだァ!!助けんかい!」
そんな平賀さんをよそに、銀ちゃんは三郎と呼ばれたロボットにお茶を頼む。銀ちゃんは平賀さんを見ると、ニタァと気持ちの悪い笑みを浮かべた。
「いや〜実にいいモノ作ってるじゃねーかジーさん。ウチにも一つくんねー?このポンコツ君」
『ちょっと銀ちゃん、悪口なんて言ったら大変な目にあっちゃうよ』
「だーいじょうぶだって。ポンコツに何言おうが……あれ?」
ビチャビチャッ
「あっつぁァァぱァァ!!」
すると、ポンコツと言われた三郎がお茶を持ってくるなり、銀ちゃんの頭目掛けて流し込んだ。
「ブハハハ!ざまーみろォ!!三郎はなァ、ある程度の言語を理解できるんだよ。自分に攻撃的な言葉や行動をとる奴には鉄拳で答えるぞ!!よし!今のうちにわしを解放しろ!早くしろ、ポンコツ!!」
ゴッ!
「ぶはっ!」