2
下着泥棒なんて女の敵だ。そう賛同した神楽ちゃんがお妙さんと一緒に下着泥棒を捕まえよう、と立ち上がった。
「まずいよ。最凶コンビがユニット組んじゃったよ」
『いやでも下着泥は許せないね』
「なまえちゃんまで組んだらマジで死人出るから」
「ほっとけよ。ホシの目星はもうついてるだろ?」
「え?一体誰…」
『!!』
なるほど。銀ちゃんが座るテーブルの下に視線を向けると納得出来る人物が身を潜めていた。
『ゴリラさん…』
「いや近藤だから。そんな名字じゃないから。なんだァ!まさか俺を疑っているのか貴様らァ!」
『……』
「これで真選組解体か〜いや、めでてーな〜」
『ゴリラさん最低ですよ!他の人たちが野垂れ死んでもいいんですか!?』
「待て待て待て!コレを見ろコレを!」
ニヤニヤ笑う銀ちゃんと泣き真似をする私に慌てた近藤さんが新聞紙を取り出した。それを受け取った新八くんが一部の項目を読み出した。
「またも出没…怪盗ふんどし仮面」
『なんで江戸の人ってネーミングセンスださいの?』
近藤さんの話によると最近巷を騒がすコソ泥だそうだ。真っ赤な褌を頭にかぶりパンツ一丁で街に現れ綺麗な娘の下着ばかりを盗みモテない男達にバラまくんだとか。
「なんですかソレ。鼠小僧の変態バージョン?」
『ってかモテない男達とかわかるの?』
「…そーか、このパンツにはそーゆう意味が!俺ァてっきりサンタさんのプレゼントかと…」
「アンタ貰ってんのかィィ!!」
『どうやらわかるみたいだね…ん?』
銀ちゃんが貰ったと突然パンツを出した事で、コソ泥にはモテない男がわかるんだと驚いていると、パンツに何だか見覚えがある事に気付く。(…まさか)
『!ちょっソレ私のパンツ!』
「…え?なまえの?」
『そうだよ!いつかの勝負の時のためにって買ったのに!』
「何で女って皆勝負したがるの?勝負って表現なんなの?」
『…んのコソ泥がァァ!』