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何やら神楽ちゃんが福引きで宇宙旅行へのチケットを当てたんだとか。人数が四名らしく私も誘われお登勢さんから休みを貰い宇宙旅行に胸を膨らませていた。
『いや〜私まで誘ってもらえるなんて』
「なまえにはお世話になってるから当たり前アルヨ」
「そうだよ。存分に宇宙を楽しもう」
『うん』
ターミナルへと着きゲート型の金属探知機を通過する。すると、すぐ後ろで反応した音が聞こえてきた。
『銀ちゃん何か金属類持ってきたの?』
「持ってねーって。あ?もしかしてアレか?心のナイフとかにも反応すんのか?」
「ご迷惑おかけいたします。現在攘夷派によるテロが多発しておりますので」
銀ちゃんの冗談に乗務員が優しく受け答えする。(テロか。前みたいに巻き込まれるのはごめんだ)
「テロね〜。あ゛っスイマセン。股に二つ金属ついてんの忘れてました」
「お客様黙ってねーと殴りますよ」
『黙ってても殴っていーですよこんな人』
あれから無事、金属探知機を通り抜け宇宙船へと乗り込んだ。さあ、宇宙だ。と心を浮わつかせる私たちを乗せた宇宙船はついに地球から出発した。だが、神楽ちゃんが何故か浮かない顔をしている。
『えっ定春さらわれちゃったの?』
モグモグ
「そうアル…。私もう旅行なんて楽しめそーにないヨ」
ガツガツ
「だーからババアに預けとけって言ったんだよ。もう台無しじゃねーか旅行が…」
ズルルル
『ちょっと銀ちゃん!台無しなのは…』
ゴクン
『アンタの心の狭さだよ!』
「きっちり食うもん食って、台無しなのはお前らの人間性だよ」
「だって定春だけ残していくのかわいそーネ!」
『神楽ちゃんの言う通りだよ。銀ちゃんは定春がかわいくないの?』
「旅先でギャーギャー喚くんじゃねーよ。あーあ、興ざめだ。もう帰るか」
【―皆様、宜しければ左側をご覧になって下さい。あれが太陽系で最も美しい星とされる我らが母なる星地球です】
「「『わーキレイだ〜』」」
「わーじゃねーよ!キッチリエンジョイしてんじゃねーか!なんだオメーら!」