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私はあの男がキャサリンに言っていた場所に約束の時間よりも早くやってきた。どこかの土管に隠れていようと中を覗くと、そこには見覚えのある天然パーマがあった。
『そこが新しい家?』
「!なまえ」
『詳しい住所教えといてよ。ウチにずっと郵便物届いたら困るし』
「んな訳ねーだろ。…なァ、なまえからバーさんに頼んでくれよ」
『…今回の腕次第だね』
銀ちゃんの情けない言葉に、私はよいしょっと同じ土管へと身を潜めながらそう答えた。
約束の時間となり男達とキャサリンがやってきた。私と銀ちゃんは息を潜めてキャサリンたちの会話を聞いていた。(!ちょっと銀ちゃん今胸触ったでしょ!)(ああ?触ってねーよそんな貧相なむ)ドゴッ。
「悪イケドモウ盗ミハデキナイ」
私が銀ちゃんのお腹にパンチを食らわした時だった。キャサリンが男達に土下座した。(そこまでしてお登勢さんとの約束を…)その瞬間、男がキャサリンを蹴り上げた。私はそれを見た瞬間土管から顔を出した。
「!オイおま…」
「!なんだお前は!?」
自分でも思わぬ行動をしてしまい、銀ちゃんがすぐさま抑えようとしたが、既に男と一緒にいた連中に見つかってしまった。見つかってしまったものはしょうがない。開き直った私は、連中の男に掴みかかると、勢いよく殴り飛ばし土管から這い出てキャサリンを殴った男の背後に立った。
「オイ服部刀貸せェ!」
「そんなもんねーよ」
「ああ!?お前もってたろーが!」
『テメーに貸す刀は持ってないって言ってんの』
「!!」
「だが木刀ならいつでも…」
「てってめーらは!?」
「くれてやるぜェェ!」