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銀ちゃんから今月の家賃(本当はもっと前から滞納してるんだけど)をお登勢さんが肩を落としながら回収しに行こうとするとキャサリンが行くと言った。
『大丈夫かな〜?』
「キャサリンは鍵開けが十八番だって言うからね」
「ぎゃああああ!!」
『…なるほどね』
すると2階から銀ちゃんの叫び声が聞こえてきた。どうやらキャサリンが捕まえることに成功したのだろう、と私は悟った。
「これなら金庫に立て籠ろうが逃げられないよ」
『これからはちゃんと家賃払いなよ』
キャサリンに連れられ、銀ちゃんは家へとやってきた。不貞腐れた様な顔で店のカウンターに座った銀ちゃんに私とお登勢さんが声をかけると、何故か得意げな顔を見せつけた。
「フン、金庫が開けられよーが空じゃ仕方ねーだろ。家にはチクワと小銭しかねーぞ。さァどーする」
「『お前がこれからの生活どーするんだァ!!』」