Rocky and Funny!! | ナノ






『ねー銀ちゃん何で怒ってるの?』
「何にもねーよ」

真選組と別れ、銀ちゃんの方へと振り向くと何だか不機嫌だ。私が何度聞いても何にもない、の一点張り。

『土方さんが嫌いなの?』
「……」

銀ちゃんの顔を覗くと銀ちゃんは無言で私を見た。そして私の頭をくしゃくしゃ、と掻き回してまた歩き出した。

『???』
「(コイツは俺の気持ちもあのヤローがわざわざなまえの名前を呼んだことも気にしてねーんだろーな。…ずっと気にしてんのがアホらしくなってきた)オイ、なに間抜けな顔してんだよ。帰るぞ」
『…うんっ』

私を見た銀ちゃんの顔がいつも通りなのを確認すると私は笑って銀ちゃんの隣へと走った。






家へと着くと万事屋銀ちゃんに再び入り、既に来ていた新八くんにさっき買ったお土産のケーキを渡した。(神楽ちゃん寝てるし後でいっか)私も食べようとソファに座りテレビへと視線を向けた。


『(あ)』


するとテレビに沖田さんに見せられた女の子が映っていた。(あの子お姫様だったんだ)テレビに映っているということは見つかったんだと理解した。私の隣で見ていた新八くんも、へえ、と声を漏らす。

「酢昆布好きのお姫様ですって」
『神楽ちゃんみたいだね』
「バカ、おめっウソに決まってんだろあんなの。ありゃ庶民派のイメージ出して親近感もたれよーとしてんだって。どーせ城じゃあフォアグラ三昧よ。きっと寿司の上に寿司のせて食べてるよ」
『え!そんな料理があるの!?』
「いやないよ。寿司の上に寿司って」
「見ろお前。本物の酢昆布娘を。寝顔からビンボ臭さが流れ出てるだろ。これが本物って奴だよ」
『神楽ちゃん寒くないかな?毛布毛布』

私はそう言って毛布を神楽ちゃんに被せた。ふと隣にある傘の柄の部分に目が入った。(あ)傘の柄にあのお姫様と神楽ちゃんが映っているプリクラが貼ってあった。(もしかしてお姫様、神楽ちゃんと遊んでたのかな。にしても、楽しそうなプリクラ…。こうしてると神楽ちゃんも普通の女の子なんだなァ。今度私も混ぜてほしいな、なんて)そう思いながら小さく笑い、私はソファに座り直した。






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