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甘味処を出て、そろそろ帰ろうと駅までの道を歩いていると脇にゲーセンが見えた。
『銀ちゃんプリクラとろうよ』
「あァ?いいよ」
『いいからいいから』
「ちょっ…腕引っ張ったら千切れそうだから!」
『とーろーおーよー』
「あだだだだ!ダメだって!千切れるってコレ!あッとれた!?腕とれてねェ!?ちょっ…わかったから!わかったからとりあえず引っ張るな!」
何とか銀ちゃんをプリクラ機の中へと連れてプリクラを撮り終える。何だかこういうことをするのは初めてでウキウキしていた。ふと横を見れば私と同い年くらいの女の子たちがきゃあきゃあと楽しそうに騒いでいるのを見て少し羨ましくなった。(私も女の子の友達とか作りたいなァ)
『あはは、銀ちゃん変なカオー』
「うるせーよ。お前に付き合わされて疲れてて男前が台無しじゃねーか」
『あ、でも元々こんなカオか』
「んだとコノヤロォ!!」
ターミナルから帰ってくるとプリクラを見ながら歩いると、自販機の前に見覚えのある服が目に入った。
『あ、土方さん!』
「ん?オウ、なまえか」
「オイオイ、なにウチのなまえを馴れ馴れしく呼んでくれてんですかコノヤロー」
『いつ銀ちゃんのになったのよ』
「テメーこそなまえと並んで歩いてんじゃねーよ」
『もう喧嘩しないで下さいってば。てか、土方さんってそんなキャラでしたっけ?』
すると遠くから沖田さんもやってきた。
「アレ、なまえさんと旦那じゃないですかィ。こんなところで何してるんですかィ」
『沖田さん、買い物です。お二人もこんなところで何してるんですか?』
「実は…」
「おーう。どーだ調査の方は?」
沖田さんが言葉を発した瞬間、袖がむしられたような隊服を来ている近藤さんがやってきた。(え、なにあの服)
「近藤さん」
「潜伏したテロリスト捜すならお手のモンだが、捜し人がアレじゃあな」
『捜し人?』
私がちょっと近藤さんのむしられた袖口に夢中になっていると気になる話が飛び交い始めた。
「ええ、今ちょいとある人を捜してましてねィ。二人は見てやせんか?」
そう言われて沖田さんは隊服から一枚の写真を取り出し私たちに見せた。私と銀ちゃんはそれを見て同時に首を振った。
「そうですかィ…。まァ見つけたら知らせて下せェ」
「じゃーな」