Rocky and Funny!! | ナノ






そうと決まれば、船が空に上がる前に早くお妙さんを助けなければ。とその前に。銀ちゃんの原チャリの後ろに新八くんが乗るということで、私は一旦スナックお登勢へと戻り、店の手伝いを休ませてもらい、暫く使っていなかった原チャリを取り出してきた。

『で、船って何時に上がるの?』
「えーと…第一便、午後四時出航…ヤバイ!もう船が出ます!」

「つかなまえ、自分の原チャリあんじゃねーかよ」
『別にないとは言ってないよ』
「いつも人を足に使いやがって」
『だって原チャリなんて全然乗ってなかったしー』
「俺ァ暇じゃねーんだよ」
『暇人でしょ』
「暇じゃねーよ。俺はな、ジャンプ読むのに7日費やすんだ。んでその日に新しいジャンプ買ってまた7日費やすんだ」
『気持ち悪いわ!』
「ジャンプは素晴らしい漫画なんだよ!お前もジャンプを7日費やして見ろ!」
『気持ち悪いわ!』

「ちょっとちょっと!こんな時に喧嘩しないで下さいよ!姉上が大変なんですよ!」




その時、後ろからサイレンが聞こえてきた。

【そこのノーヘル止まれコノヤロー】

銀ちゃんは新八くんにヘルメットを貸したためにノーヘルで運転しているとパトカーが追い掛けて来ていた。(私はいつも銀ちゃんの後ろ乗ってる時は自前のヘルメット被ってたからね)(てかそこで私が原チャリ持ちだって気づけばいいのに)

「大丈夫ですぅ。頭かたいから」
【そーゆー問題じゃねーんだよ!】
「うるせーな、かてーって言ってんだろ」
「ぶっ!!」

しつこいパトカーに銀ちゃんは頭突きを食らわした。(確かに頭かたい)役人は鼻血を噴き出していたが、私たちの視線は空へと移っていた。




「ノーパンしゃぶしゃぶ天国…出発しちゃった!!」




空を見上げれば、船が一隻宙を泳いでいた。空に上がればどうする事も出来ない、と諦めそうになったがまだ追い掛けてくる空を飛ぶパトカーを見て、銀ちゃんと顔を見合わせた。







『うーん、乗り心地微妙』

私たちは役人からパトカーを拝借して(あくまでも拝借だから)船へと向かう。

「ていうか、何か物凄いスピードで船に向かってってません?」
『気のせいだよ』
「いやいや気のせいじゃねーよ。つかなまえ運転出来たっけ?」
『やだなあ、私17歳だよ?車の免許なんて持てる歳じゃないっての。アッハッハッハッ』



「「……」」



銀ちゃんたちは絶句した。

船は、もう目の前。






ドゴンッ!






パトカーは見事、船に激突。私たちは何とかパトカーから出ると、そこにはお妙さんと金貸しがいた。






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