Rocky and Funny!! | ナノ






「テメーここで何やってやがった?」



私が泣き真似をしながら銀ちゃんを殴ったその隣では、先程とは違うピリッとした空気が流れていた。

「まさかまた余計なマネ…」
「エロ本ジジイに何言われよーと俺ァ火消しやめるつもりはないんでね」
「やめるもクソもてめーみてーな小娘必要とされてねーのがわかんねーのか?」
「っ俺は…」
「火はよォ、どんな尊いモンも一瞬にして灰にしちまう!その恐さはてめーが一番知ってるだろ?」


『……』


どうやら辰巳さんには辛い過去がありそうだ、と私は二人の会話を聞いていた。

「…アンタまさか、まだ父ちゃん母ちゃんのこと」
「てめーの父ちゃんも母ちゃんも俺が殺したようなもんだ。その上お前まで死なせたら俺ァ…」
「何言ってんだハゲェ!父ちゃんも母ちゃんも火事で死んだ!アンタのせいじゃねーよ。そんなことよりアンタ、俺を助けてくれたじゃねーか!ここまで育ててくれたじゃねーか!」





「フン。恩なんて感じる必要はねェ。てめーをここまで育てたのは愛情でも何でもねェ。親を見殺しにしちまった罪滅ぼし以外の何物でもねーよ」





『……』

頭の言葉に私は考え込んでいた。その隣では、殴られたことを忘れたかのようにエロ本を読んでいた銀ちゃんがいて、その後ろから誰かがやってきた。

「そこの君」


「あ?…わたたたた!!」
『!銀ちゃん!?』
「「!!」」

銀ちゃんの声に私達は視線を向けると、エロ本が燃えていた。現れた男が謎の液体を撒き散らしているところを見るとどうやらこの男が放火魔らしい。銀ちゃんは怒って男を追いかける。私もここは火消しに任せて銀ちゃんの後ろを急いでついていった。






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