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ついた場所は私の読み通りごみ置き場。辰巳さんに協力しようという銀ちゃんの素直じゃない行動だった。私達は放火魔が現れるのを待つ為、隠れる場所を探しごみ箱を覗いてみると既に監視に来ていた辰巳さんが眠っていた。
『あーらら、寝ちゃってる』
「放火魔捕まえるんじゃねーのかよ。ったく」
『…ほーんと、銀ちゃんお人好しなんだから』
「るせーよ」
「ヤベェ、寝ちまった!!」
「戦線、異常なしであります」
『いい夢見れましたかィアネゴ』
ガタガタとゴミ箱から辰巳さんが出てきたのを確認すると私と銀ちゃんはパンを頬張りながら言葉を発した。
「お前ら何で?うぉ!」
辰巳さんが驚いてゴミ箱から出ようとしたが体制が崩れゴミ箱が倒れた。その上に私たちは乗っかり、パンを口に放り込んだ。
「俺も放火魔には迷惑しててね。いつまで経ってもジャンプが片付かねーんだよ」
『水曜に出せば問題ないんだけどね。まァそれに』
「火消し小町大活躍!」
『なーんて見出しの瓦版見てみたい気がしまして』
「…お前ら」
カサ…
「「『!!』」」
話していた私達は微かな物音に反応し、話をやめ急いで身を潜めた。
「間違いねェ、放火魔だ」
「何を根拠に言ってんだ?」
銀ちゃんの言葉に辰巳さんが問い掛けた。
「まっとうに生きてる奴の身体からコソコソなんて音するわけねーだろ(コソコソ)」
『銀ちゃん出てる出てる』