Rocky and Funny!! | ナノ






「なんで借金なんか残して逝ったんだよ。あんなハゲ…たまにオセロやってくれたぐらいじゃねーか!」
『この時代にオセロあったんだ』

お妙さんが金貸したちと行ってしまった後、新八くんは竹刀を振り回しながら叫び散らしていた。私はそれを聞きながらちら、と銀ちゃんを見ると何やら真剣にホールケーキを作っていた。(何こいつ人の家で本格的に作ってんだ)




『ねー新八くん。そんなにお父さんが嫌いなんだ?』
「…嫌いだ」
『ふーん。でも死ぬまで側に居てくれたんでしょ?』
「…え?」
『私ね、孤児院で育ったの。両親の顔なんて知らないし、生きてるのかもわからない。何かを貰った事なんて勿論ないんだ。だから道場も、借金も残してることが何か羨ましいな』
「……」

私がそう言うと、新八くんはお父さんの話をし始め、涙を溢し始めた。(なんだかんだ言って新八くん、お父さんの事好きだったって、私は思った)


「よし、出来た」

暫く言葉を発しなかった銀ちゃんの一言に何が出来たんだ、と振り向けば大きなホールケーキが完成されていた。(シリアスな場面だったじゃん聞けよ)銀ちゃんはそれをそのまま食べながら新八くんに向かってまた一言、発した。



「姉ちゃんが好きか?」



新八くんは何も言わずに、こくん、と頷くと銀ちゃんと私はニッと笑った。






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