空即是色 | ナノ

05



あれから私とゴンもそれぞれに名前を呼ばれリングへと向かい試合を始める。


「へへへへ、相手は女か」
『……』
「おい女」
『なに』
「手加減はしねーぞ」
『…はあ』

相手の男は気持ち悪い笑みを浮かべながら私に笑いかける。私は試合前というのに深いため息を吐いた。

「始め!」










『あれ?ゴンだけ?』
「うん。キルアはまだみたい」
『へー』

相手の男は私に殴りかかる事も出来ず、私は1試合目の時と同じように膝で蹴り上げるように相手を気絶させた。試合を終え審判から60階へと指示される。60階へと向かえばそこにはゴンだけが椅子に座り私たちを待っていた。

「ズシって強いのかな」
『さあねー』
「キルアが手こずるなんて」

暫くゴンと話していると遠くからキルアが歩いて来るのが見えた。

「キルア!」
『こっちこっちー』

私とゴンがキルアを呼べばキルアは視線を向け、表情が強張ったままゆっくりと歩いてくる。

「見て!6万も貰っちゃった」
『遅かったね』
「ああ。ちょっと手こずっちまった」
「結構強かったんだ?」
「いや全然。素質はあるよ」
『へーキルアが褒めた』
「…でも今はまだオレから見りゃスキだらけだしパンチものろい。殴りたい放題だったよ。…なのに倒せなかった。それに…」

キルアは言葉を続けた。何やらイルミと同じ嫌な感じがしたらしい。(…という事は"念"が使えるのかな。へーズシってキルアたちより先に進んでるんだ)その試合後にキルアが偶然ウイングさんが「"レン"はまだ使うな」という言葉を聞いたらしい。

「"レン"と最上階か……。ゴン、なまえ…オレ、ちょっと予定を変えるぜ。最上階を目指す!」
「うん!」
『稼げれば何でもいいよ(ゴンは多分最初からそのつもりだったんだろうけど)』



私たちはそれからひたすら最上階を目指すために雑魚たち(だってそうでしょ)と戦い続けた。その間に私たちは"手刀のキルア"、"押し出しのゴン"、"膝蹴りのなまえ"と呼ばれるようになっていた。






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