04
次の試合が来るまで私たちは待合室へと向かった。待合室にはうじゃうじゃと次の戦いを待ち侘びる男たちが溢れていた。キルアは何の気兼ねもなく椅子に座ると「この階程度の相手ならまだ楽勝だよ」と言い放つ。私も『6歳だったキルアが勝つくらいならね』と先程買ったジュースを喉に入れた。
「(なまえさんキルアさん声でかいす…)」
そんな私たちに待合室にいた男たちの視線が一気にこちらへと集まっていた。だが、私とキルアは気にも留めず、ズシだけがひっそりと肩を竦めていた。
【キルア様】
「お、お呼びだな」
暫くのんびりと皆で話しているとアナウンスでキルアが呼ばれた。
【ズシ様】
「!」
「あら」
すると続けて呼ばれたのはズシだった。ズシは呼ばれた瞬間に一気に緊張、という顔色を浮かべた。
「押忍…!胸、お借りします!」
「おう。まあクジ運クジ運。次頑張れよ」
『(あーあ、キルアそんなあからさまに)』