08
キルアと部屋から出ようとすると今度は私が父親に呼ばれ、振り向いた。
「君はもしかして、みょうじ家の子供か?」
『!はい。もしかして、両親の行方を知ってたり…』
「…行方不明になったのは知ってるんだが、詳しいことは何も知らないんだ」
『そうですか…』
「力になれなくてすまんな」
『いいえ』
「だが…いつかは会えるだろう」
『!…はい』
キルアの父親の言葉に私は『ただ会ったら殺してやりますよ』と笑った。父親も「それは敵わんな」と笑い返してくれた。
「なーなんでさー」
部屋を出て長い廊下を歩いているとキルアが突然口を開いた。
『なに?』
「親父が友達だって言った時ちょっと黙ったんだよ」
『…あー』
「オレと友達になんのが嫌なのかよ」
キルアが少し不機嫌そうに言ったのを聞くと私は立ち止まり俯いた。
「!オイ、なまえ?」
するとキルアは焦って私の顔を覗き込んだ。
『…私もさー散々親に友達はいらないって言われてきたから、私にキルアの友達になる権利なんてあるのかなって』
「…バカだなー!」
『!……バカ?』
私の言葉にキルアは大きな目を更に大きくさせて固まったと思うと今度は笑って大きな声で私を馬鹿にした。
「権利とか関係ねーよ!オレがなりたいんだからさ。ゴンだって絶対そう思ってるぜ?つーか、レオリオの言ったようにさ、もう友達なんだって」
キルアの言葉に今度は私が目を見開かせて固まった。が、すぐに笑ってしまった。
『ありがとう』
「ところで、なにその格好」
『…あ』