空即是色 | ナノ

07



意識を取り戻し、目を覚ますと楽しそうに喋るキルアの声が聞こえてきた。

『ん…』
「!なまえ!起きたのか!」
『うん…ここは?』
「親父の部屋」
『…キルアのお父さんの?…あ』

ゆっくりと体を起こせば目の前にキルアとキルアの父親と思われる人がいた。私は一瞬体を止まらせ、頭を下げた。

『どうも…』
「キルアの友達らしいな」
『あ、……はい…』
「(……)あ、そうだ。なまえ、コレ」
『?…!チョコロボ君!』

キルアが私にチョコロボ君を渡してきた。私はチョコロボ君を見ると目を輝かせ受け取る。「チョコロボ君って言いながら倒れるからびっくりしたぜ」なんて言いながら笑うキルアに『うるさいなー』なんて返しながら弱点を知られてしまった、と恥ずかしくなり俯きながらチョコを頬張った。




「キル」

すると、父親が真面目な顔をしてキルアを呼んだ。

「ゴンにも会いたいか?」
「……」
「遠慮することはない。正直に言え。思えば…お前と父子として話をしたことなどなかったな。オレが親に暗殺者として育てられたようにお前にもそれを強要してしまった」
『……』

キルアの父親の言葉に昔を思い出してしまった。(そういや私も親とまともな話なんかしたことなかったなー……あ!イルミに連絡しなきゃ)

「お前はオレの子だがお前はお前だ。好きに生きろ」

キルアは父親に頭を軽く叩かれ、優しく笑いかけられた。キルアはその瞬間年相応の幼い顔をして父親を見ていた。そして親指と親指を合わせ誓いを交わした。






×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -