空即是色 | ナノ

31



3試合目は私とハンゾーだった。私は前へと出るとハンゾーが強い眼差しで私を見ていた。(スキンヘッドじゃなきゃなーかっこいいんだけど)

「女だからって容赦はしねェ」
『そんなことわかってるよ』





「始め!」

審判の合図で先に動いたのはハンゾーだった。ハンゾーはすぐさま私の後ろへと回った。(思ったより素早いなー)なんて感心しているとゴンと同じように手刀を食らわされた。

「まいったって言わねーとお前もゴンみたいになっちまうぞ」

倒れこんだ私を見下ろし、ハンゾーは威勢よくそう言い放った。そんな言葉を聞きながら私はゆっくりと起き上がると首を手で擦った。

『これ結構痛ーい』
「…な…!(普通に立ち上がりやがった?)」
『じゃー反撃ね』


「!!」


手刀を食らわされた私は怯むことなく立ち上がると今度はハンゾーの後ろに回った。ハンゾーがそれに気付き、後ろを振り向いた瞬間に回し蹴りを食らわす。ハンゾーが倒れ込んだ瞬間に上から押さえ付けた。

『それなりに鍛えてるからね。ゴンとはまた違う厄介さが私にはあるよ』
「…女だと思ってなめてたぜ」

私の言葉にハンゾーは笑うと「まいった」と先程よりも早くに降参した。




それからいくつかの試合が行われ、私の興味がキルアとギタラクルの試合に向けられた。ギタラクルは試合が始まると「久しぶりだね、キル」と親しそうにキルアに話しかけた。


「兄…貴!」


キルアの言葉に私たちは驚いた。(へえーキルアのお兄さん…なるほど。それならあのただ者じゃないと思った私の勘に納得できる)私たちは暫く二人の会話を聞いていた。

「母さんとミルキを刺したんだって?」
「まあね」
「母さん泣いてたよ」

「…そりゃそうだろうな。息子にそんなひでー目にあわされちゃ」

二人の話にレオリオがひそひそと私に話しかける。

『でも殺人鬼としちゃ強くなったって逆に喜ぶんじゃない?』
「んなわけ…」


「うん、感激してた。「あのコが立派に成長してくれててうれしい」ってさ」

私たちの会話に返答する様に答えたギタラクルの言葉にレオリオはひっくり返った。それを見て私は笑った。



すると、今度はギタラクルは「キルアはハンターに向かない」と言い放った。

「お前は熱をもたない闇人形だ」






×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -