23
大体夜になってきたと思う頃、皆は睡魔に襲われ、眠りについていた。だが、鉄で出来ていた部屋のせいで少し寒かった。
『寒い…』
「大丈夫か?」
なまえの眠りながらの訴えた声にまだ起きていたクラピカは返事した。だが、なまえは寝ているまま、体温の感じるクラピカの方へと近付き腕にしがみついた。
「!っ…なまえ?」
なまえが寝ていると気付いていないクラピカは驚いて赤い顔をしていた。そして「わ、私の上着を貸してやるからそれで、」と焦って離れようとした。だが、離れれば寒い、と体が反応しているようでなまえは離れない。『…ぬくい』と声を漏らし、小さい寝息が立て始めた。
「(…ね、寝ているのか)」
そこで初めてなまえが寝ていると気付いたクラピカは諦め、ため息をついた。そしてクラピカはなまえの寝顔を見つめてふ、と笑った。「(寝ている時は普通の女の子だ)」と愛らしさを感じた。まだ少し寒そうに体を縮めたなまえの体を優しく包み込み、クラピカも眠りにつくことにした。
「(…こうしてみたはいいものの、朝、皆が起きる前に離れなければ殺されそうだな)」
しばらくして、目が覚めると見覚えのある服が私の体にかけられていた。部屋を見渡せば皆が寝ている中、隣ではクラピカが本を開いて読んでいた。ゆっくりと体を起こせばクラピカと目が合い、優しく微笑まれた。
「起きたのか」
『これ、クラピカの上着でしょ』
「なまえが寒がっていたのでな」
『あ、そうなんだ?ありがとー』
クラピカににこっと笑って上着を返すとクラピカはそれを受け取って立ち上がると中央にある机のポットにお湯を注ぎ予め用意されていた茶葉を溶かしはじめた。
『うえーまだ30時間も残ってるー』
「ああ、まだまだ先は長そうだ」
私のだらけた発言にクラピカは出来上がったお茶を私にカップに注いで渡した。(クラピカって紳士だなー)
それから少しの間クラピカと話していると徐々に皆が起き出し、とりあえず暇なので皆で何も使わないで出来る遊びをしていた。(しりとりってやつ面白い!)