空即是色 | ナノ

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「ジャンケン勝負決着!チップ切れによってレオリオの負け!!」

ジャンケンでゴンたちとすっかりはしゃいでしまっていたが気付くとレオリオは負けていた。賭けチップは切れ、私たちがタワーに50時間いることが確定してしまった。



「んじゃ、次オレ行くよ」

すっとキルアが立ち上がるとレオリオは今までに一度も見たことないような驚いた顔をした。

「なんだよその顔」
「しまったァ〜!後残ってんのキルアとなまえじゃねーか!どうしてもオレで勝っておかなきゃダメだったんだー!クラピカ、ゴン、すまん!」
「なまえ…こいつすげームカつく」
『私も同じこと思った』


「敵の姿とか戦い方も決まんない内から諦めんなよな。暗算対決とか言われたらお手上げだけどさ」
『(…暗算対決だったらどうするんだ)』

キルアの言葉に、レオリオは次に出てくる試練官を見た。だが、現れた男にレオリオは顔の色を変えた。ゴンにも、何か伝わったようだ。レオリオの話だととんでもない殺人鬼らしい。「あいつとは戦うな」そう、言葉を放った。(なら私が出よっかなー)そんなことを思っているとキルアは無言で足を進めた。



先ほどの心配はどこへやら。

キルアには必要なかったようだ。一瞬の出来事に勝負を見ていた皆が状況を理解していなかった。キルアの手には試練官の心臓が握られていた。試練官は状況を理解すると大量の汗をかきながらキルアへと向かったがキルアの目はとても感情があるような目ではなく、にやり、と笑うと握っていた心臓を一気に握り潰した。そんなキルアにゾクゾクと寒気を走らせて思わずにやついてしまっていた。


「あいつ…一体何者なんだ」
「あ…そっか、二人は知らないんだね」

どうやらレオリオとクラピカにはキルアが暗殺一家だとは話してなかったそうだ。

「と…とりあえず、キルアの話はここを抜けてから詳しく聞こうぜ」
「ああ…」




「ゴーン、なまえー、勝ったぜー」

勝負を終えて戻ってきたキルアはいつものような表情に戻り無邪気に笑いながら帰ってきた。そして、やっと私の番がきた。

『じゃあ、最後は私だ』
「…あ、そうか。負けたらもう一戦なんだよな…」
『ちょっと。負けた時の話?』
「そりゃそうだろ。じゃんけんであんなにはしゃぐ奴に期待なんか出来るかよ」
「確かに…まあゴンかレオリオの相手が出て来ればまだ勝敗はわからないが…」






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