空即是色 | ナノ

18



それはとてつもなく短い別れだった。一瞬にして顔を合わせたゴンたちと目が合ったと思いきや、何とも気まずい雰囲気で笑い合った。


それから2時間、私たちはその部屋に閉じ込められていた。なんでもこの部屋は6人いないと次へ進めないということ。あと1人が来るのをひたすら待ち続けやっとの想いで現れたのはトンパだった。(まあずっと部屋に閉じ込められてるよりかはマシだけどさー)

「よっしゃ行くぜ!!」
「えらそーにコイツ…」

『……』

「(…なまえから不機嫌なオーラが出ているのだが)」
「(よっぽどトンパが嫌だったらしいな)」

レオリオたちがひそひそと喋っている声に気付かないまま私たちは奥へと進んだ。この部屋には"選択の道"と書かれていて、その名の通り、いろいろな場面で選択肢があった。その度に何度か揉め事が起こったが、何とか広い場所までたどり着いた。そこでは試験官に雇われたという試練官との勝負が待っていた。初めにトンパが行くと言い、力がありそうな男に勢いよくまいった!と叫んだり(こいつマジで殺してやりたい)次にゴンがひ弱そうな男と蝋燭を使ってゲームして勝ち、勝負は1勝1敗となった。

次にクラピカが胡散臭そうな男と勝負した時に見せられた赤い目、今まで見たことのないクラピカに私は興味が引き寄せられた。(あれってまさか)

『緋の眼…!』

確か、クルタ族だけが持つ眼だと聞いたことがあるが、幻影旅団に絶滅させられ、裏のオークションで売り捌かれたはずだ。まさか、クラピカがその生き残りだとは。やっぱり、ゴンたちには興味が絶えない。先ほどのトンパのことなど忘れて私はクラピカの緋の眼に釘付けだった。


『おかえりクラピカ』
「ああ」
『あ、もう目戻ってる』
「ああ、少し興奮してしまった」
『でも、幻影旅団じゃないってクラピカなら初めからわかってたんでしょ?それなのにどうして?』

私の問いにクラピカは少し恥ずかしそうに「普通の蜘蛛を見るだけでも興奮してしまう」と言った。(普通の蜘蛛見てもしかすると私たちにまで被害がある?)

『私たちいつかクラピカに殺されるんじゃない?』
「…皆、クラピカに蜘蛛だけは見せないにしようね」
「うん」
「そうだな…」
『(これはクラピカにも興味がそそられるなー)』






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