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【さあー!先日キルア選手に敗れて5勝3敗とあとがないリールベルト選手!】
あれから3日後。
ゴンとリールベルトの戦闘当日となり、客席は満員となっていた。
「はじめ!」
【あーっと!いきなりのソングオブディフェンス!リールベルト選手、一気に勝負を決める気だ!】
審判の合図と同時にリールベルトはキルアとの戦いで見せた技を繰り出した。
『さー、ゴンは一体どうするのかなー』
「(…ほんと、こいつ俺達の戦いを楽しそうに見るよなー)」
私が期待を募らせているとゴンは突然しゃがみこみ、地面の繋ぎ目を掴んだ。そして思いきり地面の石板を引っ剥がし、持ち上げた。
「なっ…」
「そりゃ!!」
リールベルトは予想だにしていなかった光景に思わず後ろへと下がる。だが、ゴンはリールベルト目掛けて一気に石板を投げた。
"オーラバースト!!"
【うおおっ!かろうじて脱出ー!】
実況の言葉通り、リールベルトは急いで石板から身を逃れた。
「わざと逃げ道を残したな…」
『ゴンにしては頭脳を使った戦いだねー』
「!!」
私とキルアの言葉通り、ゴンはリールベルトの行動を予想していたのか逃げた先へと先回りし、リールベルトを捕らえた。そしてリールベルトの腕を掴んでいた手に力を込め、ムチを手離させると、ゴンはそのムチを拾いリールベルトの首に巻き付けた。
「これがスイッチか。えーと、出力を最大にして」
「……!」
ゴンの言葉にリールベルトは一気に顔を青ざめる。そしてゴンは大きく息を吸った。
「スイッチ、オン!!」
「!!!」
「なんちって」
だが、ムチは作動せず、リールベルトはそのまま失神してしまった。
「リールベルト選手、失神KOとみなし!勝者ゴン選手!!」