空即是色 | ナノ

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サダソが消えキルアの不戦勝後、当然私とゴンの試合も不戦勝となり、次の試合までゴンとキルアは念の修行を続けた。




そして6月4日。

「さて、ゴン君、キルア君。今日は試合ですが体調は万全ですか?」
「はいっ!」

試合当日、私達はウイングさんの部屋で話をしていた。ゴンの相手は以前戦って全治4ヶ月と言う怪我を追わされたギド。(1ヶ月で怪我治してたけど)そんなゴンにウイングさんが何か対策があるのか、と問うとゴンは見覚えのある釣竿を指差した。

(さーて、一体どんな修行の成果を見せてくれるかな)私は久しぶりのゴンとキルアの戦いに張り裂けそうな興味で一杯だった。



【さあーいよいよ注目のリベンジマッチが始まります!ギドVSゴン!!3月11日決戦で病院送りにされたゴン選手!どう戦うか!?】

数時間後。
試合開始直前となり、ゴン以外の私達は客席に座っていた。

『あの釣り竿でどう戦うんだろ?私もあれ使ってみたいなー』
「俺今度貸してもらうんだぜ」
『えーっずるい!私も借りたいー』
「ゴンに言えよ(あんなに冷酷ななまえ見てもやっぱり可愛いって思っちまうんだよなー)…はあ」
『(なんで今の会話でため息?)』

キルアはそんな事を思いながら、一つため息をついた。私はそんなキルアに首を傾げた。





「ポイント&KO制!時間無制限!一本勝負!」


そんな私をよそに、審判の声が会場内に響き渡る。

「始め!!」

そして、試合が始まった。と、同時にゴンが勢いよく走り出した。だが、ギドもそれと同時に勢いよく回転し始めた。

【あっと!?ギド選手、予期していたか初っぱなから竜巻独楽で応戦!!ここにただ突っ込んでは前の二の舞!ゴン選手、手が出せないぞ!!】

実況の言葉通り、ゴンは立ち止まり身構えた。そんなゴンにギドは回転しながらも独楽で攻撃を始めた。小さい頃からの経験からして動体視力が良いゴンならば真っ正面から襲い掛かってくる独楽など全て釣竿で叩き落とせるだろう。

だが、ゴンは練を使いそれを全て体で受け止めた。



【な、な、なんと!正面から全ての独楽を受け切ってしまいましたー!明らかに2ヶ月前とは別人!】

「ゴンの動体視力ならバカ正直に正面から飛んでくるだけの独楽なんか全部竿で叩き落とせたはず」
『(キルアもおんなじ事思ってるなー)』
「それをあえて体で受けたのは…」
『2ヶ月前とは変わり防御力の強さ、念に対しての成長を見せつけて相手に精神的なダメージを与える為かな』
「ああ。あいつも相当怒ってるんだな、ズシを利用された事に…」
『ほんと優しいなー』
「…俺だって怒ってるっつーの」
『(あ、拗ねてる)はいはい、キルアも優しいねー』






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