空即是色 | ナノ
31



「やめとけよ」
「!」


『あ、やっぱりキルアも来てたんだ』
「!なまえ…。お前も気付いてたのか」


私は天空闘技場から出ると、ズシの後を追った。途中、絶を使い私と同じようにズシを追うキルアに気付き、私はキルアが通りすぎるまで暫く待っていた。そして、二人の後を追う体勢になると、ズシを襲った先程の男達にキルアが止めに入るのを見て、私もその場から動いた。

「な、なんだお前ら…」
「こんなカビ臭くてせこい真似しなくてもさ、オレが相手してやるよ。いつがいいんだっけ?」
「……」
「心配しなくても勝ちは譲るからさ。なんならあんたら全員に一勝ずつプレゼント!そんでいいだろ?」
『キルアだけで物足りないなら私もしてあげるよ』
「……くくく、オーケイ。君達が戦ってくれるなら俺達もわざわざこんなことはせずに済むしね」
「だが…疑うわけじゃないが、これから一緒に登録しにいこうか。そうしたらこいつは無傷で君に渡そう」
「はいはい、いいっスよー」
『その代わりこれが最初で最後ね』

こうして私達は天空闘技場へと戻った。






「5月…29日と」
『これでいいんでしょ?』
「ああ。それじゃ返そう」

天空闘技場へと戻り、男達の目の前で戦闘日の登録を行うとそれを確認した男達はすんなりと私達にズシを返した。(こんな簡単に?まさかねえ…)少し嫌な予感がしたがこれ以上に何か考えれる程賢くはなさそうな男達に深く考えるのはやめ、そのままキルアについて帰る事にした。



「ふうー…カタギはつれーぜ」
『え?』
「殺しやめるのって結構大変なんだなー」
『えっキルア、殺しやめるの?』
「ああ」
『ふーん…それよりキルア、戦闘日登録しちゃったけどウイングさんとの約束どうするの?』

ズシを送り届ける途中、私がキルアに問うとキルアは「大丈夫」と笑った。(何する気なんだろ?)私はそんなキルアに首を傾げつつ少し興味を抱いた。






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