空即是色 | ナノ

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ヒソカの言葉に、まるでヤケになったようにカストロは攻撃を仕掛けた。だが、ダブルではない本体の自分に視線を向けられ、再び動揺してしまう。ダブルの攻撃も当たらない。そして、鋭い目付きで睨まれたカストロは本体である自身でヒソカへと向かった。

「うわぁー!!!」



ドゴッ!!



ダブルの攻撃を避けているヒソカの背後から襲いかかったカストロに、ヒソカの千切れた左腕が飛んでくると、顔面に殴りかかった。鈍い音がなるとダブルが消え、ヨロヨロとふらつく。

「あ…あ…」
「無理無理。完璧に下顎ヒットさせたから。暫く自分の意思では動けない…。だから、次の攻撃を避ける事も無理」
「……!!」

ヒソカはそう言うとカストロから離れていく。ヒソカの言葉通り、自分の意思では動けないカストロは目の前から襲いかかってくるトランプに身動きとれないでいた。



ドスッ!ドスッ!



そして、一枚二枚とカストロの体にトランプが突き刺さる。





「あいつ…なんでダブルを出さないんだ?こういう時こそダブルを出した方がいいんじゃねーのか?」
『出さないんじゃなくて、出せないんだよ』
「え?」
『念によってダブルを作り出すには高い集中力が必要なの。自由に出したり消したり出来るのは正常な状態の時だからこそ…。ヒソカの予知通りだね』

私はキルアにそう言うと、笑った。







『踊り狂って死ぬ』






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