空即是色 | ナノ

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【先手を取ったのはカストロ選手!素早い手刀の攻撃を避けられずヒソカ選手、Pを奪われました!!】

カストロの攻撃により、戦いの火蓋が切って落とされた。未だカストロの技に理解していないキルアは今のは何だ、と言った顔をしていた。


「なー、どういう意味だよ?なまえ」
『まー見てればわかるって。多分、ヒソカも今の技を暴こうとするはずだし』
「…ちぇっ」

キルアは私の言葉に少し不満そうに頬を膨らませた。(あ、可愛い)そうこうしている内に、再度カストロがヒソカへと攻撃を仕掛けていた。今度は左手で構えるとヒソカはまたそれを軽く避ける。




ベリッ!




だが、何故か避けたはずの左手がまたヒソカに襲いかかり、頬から血が吹き出した。続けてカストロはヒソカ目掛けて足を振り上げた。ヒソカは立ち上がるとそれを腕で止めた。…だが。ヒソカの目の前にいたはずのカストロが何故か背後に立ちはだかり、勢いよく蹴りを食らわした。

「クリーンヒット!!&ダウン!!」


【なんとなんと!開けてビックリ!カストロ選手の一方的な攻めが続きます!!Pはこれで4-0!しかし今…見たものは…私の気のせいでしょうか!?】

実況と共に会場がざわつく中、私は口の端を吊り上げた。(これは面白い試合になりそうだ)顔面に蹴りを食らったヒソカは審判に心配されるが、別に痛がる様子もなくゆっくりと立ち上がり、服の汚れを軽く払った。

「気のせいかな?キミが消えたように見えたが……いや…それは表現が正しくないな。目の前にいてボクに蹴りをくれたはずのキミが一瞬にいて背後にいた…」

ヒソカはカストロの技を暴こうと事態を収拾し始める。だが、カストロはそんなヒソカに見破られまいと余裕を振り撒き「次で腕を頂く」と宣言した。そして、腕を上下に開き構えた。その構えに会場が一気に歓声を上げる。

「出たぞ!虎咬拳!!」
「まずカストロの方が本気になったぜ!」


「虎咬拳…掌を虎の牙や爪に模し敵を裂く拳法…」
『達人なら大木を真っ二つにする事も出来るね、それプラス…』
「ヒソカはまだカストロの本当の能力に気付いていない…やばいんじゃねーか?」
『キルアもわかってないでしょー』
「うるせーな!とにかく!このままだとヒソカはやられちまうぞ!」
『私はヒソカがどうなろうとどうでもいいけどねー』
「お前…ほんとにヒソカが嫌いなのな」
『うん』
「……」




「行くぞ!!」






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