空即是色 | ナノ

20



『だってキルアが絶も使わずに部屋の前まで行って気付かれて驚いてるから…くくっ…』

私の言葉にキルアは少しだけ顔を赤らめた。

「なっ…」
「なまえさんの言う通りだ。キルア君の絶は見事だったが気配を消すならこの階に来る前からじゃなきゃ意味がない」
『キルアみたいな危ない子の気配が急に消えたら誰だって警戒しちゃうよ…あははっ』
「…笑いすぎ。そういうお前はいつから絶を使ってたんだよ?」
『私基本的にずっと絶状態だもん』
「……」

私の言葉にキルアは少し驚いていた。(まーいつも視界にいたから気付かなかったのも無理ないかな)

「ったく…絶使うタイミングわかってたんなら言えよな。…それより聞くけど…さっきの一体どうやったの?」

キルアは私に呆れたようにため息をつくと、気を取り戻しカストロへと問いかけた。

「残念ながら教えられないな。いずれ君達と戦うかもしれないしね」
「…安心しなよ、オレ達これ以上天空闘技場で戦う気ないから」
「そうかい?キルア君のオーラはそうは言ってないけどな」
「……」

カストロの言葉に再度キルアは冷や汗をかき、苦笑いを浮かべた。(鋭いなー)


「んじゃね」
『さよならー』
「バトルオリンピアで待ってるよ。君達なら来れる」


バタン。


「…戦わねーっつーのに」
『でも念覚えたし早く試したそうだけど』
「……」
『…キルア?もしかしてさっきの事怒ってるの?』
「あたりめーだろ!」
『あはは、ごめんね』
「許さねー!ってかどうせさっきのアイツの技も何か知ってんだろ?」
『うん、でも教えなーい』
「っもう知らねー!」
『あ、キルアー待ってよー』

カストロの控え室を後にし、キルアの言葉に意地悪そうに返すと、どうやら先程笑っていた事を根に持っているようで、更にカストロの技について何も言わない事に怒り、会場に着くまで話をしてもらえなかった。(怒ってるキルア可愛いなーなんて言ったら二度と口聞いてもらえなさそうだから黙っておこう)





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