目が冷めて甲板へと向かうと既に皆が起きていた。ただ一人を除いて。あたしはその一人を起こしに男部屋へと向かった。
「ルフィ!朝ごはん出来たから起きて」
「んー…」
「もう」
珍しい。いつもならあたしが起きてくる頃にはウソップとチョッパーと騒いでいるのに。(そういえば、昨日遅くまで寝れないとか言ってたっけ)そんなことを思いながら布団を剥がす。
「ルフィ!起きて!大好きなご飯が待ってるよ!」
「むにゃ…メシ…」
「そうだよ、ほら、起きっ」
少しだけ目を開けたと思ったら突然ルフィに引っ張られて、ルフィの胸に頭を突っ込んだ。あたしは一気に顔を真っ赤にさせてじたばたするものの、力が強くてどうにもできずにいた。
「るっルフィ、寝ぼけてないで、」
「んーあったけぇ」
ルフィは気持ち良さそうに寝ている。思えば、ルフィの寝顔を見るのは初めてだ。(…もうちょっとだけ、いいかな)あたしは身をよじりながら、ルフィの顔に近付き、寝顔を眺めた。(可愛い)なんて思いながら、頬にそっとキスした。