つい最近、ずっと大好きだったサンジくんと付き合った。どれくらい片思いしたのかはわからないけれど、思い続けてよかったと思っている。(…そういえば)
「ね、サンジくんて」
「ん?」
「誕生日いつなの?」
「3月2日だよ」
「へー3月…2…3月2日ぁ!?」
別にサンジくんを恨むわけじゃない。ただ知らなかった私がいけないんだし。だけど、だけど。
「どうして言ってくれなかったの!?もう5日も過ぎてるのに!」
「いや別に言わなかったわけじゃないけど、この船で誰かの誕生日を祝うってことなかったし…」
「〜っっサンジくんのばか!」
すごくすごく大好きなサンジくんの誕生日を何も知らないまま迎えていたなんて事がショックでどうしようもなかった。今から祝うったって何にも用意してないし、こんなことなら皆の誕生日を把握しておくべきだった。なんて思いながら拗ねているとサンジくんが拗ねた私の横から「ごめんよ、なまえちゃん」と謝る声が聞こえてきた。「っ…」別に、サンジくんを困らせたいわけじゃない。だけど、どうにも出来ない自分が今どんな顔してサンジくんを見ればいいのかわからないでいた。
「今年は言いそびれて無理だったけどさ、来年は祝ってくれよ」
「…今年も、祝いたかった」
「…じゃあさ、俺、今欲しいものがあるんだけど、くれるかい?」
「!なにかあるの…?」
サンジくんは爽やかに笑って頷いた。
「なまえちゃんからのキス」
「!!」
ほんと、あなたって意地悪ね
「…お誕生日、おめでとう」
顔を真っ赤にしてキスすると、サンジくんはとても嬉しそうに笑ってくれた。